「ステマ」は法的にどのような問題があるのか

「ステマ」というのは、ステルスマーケティングの略ですが、消費者に気付かれないように行う宣伝活動のことです。

業者にお金を払って掲載してもらう口コミサイトのサクラ記事がステマの典型例です。某グルメサイトで一時期騒がれたと思います。

ステマは、一般消費者からしたら他の消費者の感想にしか見えず、お金を払って書き込んでもらった宣伝活動だとはわからないわけです。

一般消費者からしたら、他の人がそうした記事(例 「美味しかった。」「また行きたい。」)を書き込んでいるのだったら、本当にそうなんじゃないかと思い、「じゃあ私も。」となるわけです。

ステマはこうした口コミサイトに対する信頼性を利用した宣伝方法です。

ただし、こうしたステマの口コミもその内容によっては不当景品類及び不当表示防止法(略して「景品表示法」)の優良誤認表示として規制の対象になります。

女性   naka / PIXTA(ピクスタ)

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■どんな法律が問題となるのか

不当景品類及び不当表示防止法は、不当な景品類や表示によって消費者を引きつけるような事業者のやり方を規制することによって、一般消費者の商品やサービスに対する期待が裏切られることのないようにするための法律です。

優良誤認表示は、景品表示法の規制する不当な表示の一種で、商品やサービスの品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示したり、事実ではないのに他の同業者のものよりも著しく優良であると一般消費者に示したりする表示のことです。

例えば、カシミヤ80%のコートなのに「カシミヤ100%」のコートだと表示したり、プリンターなどの宣伝で他の同業者のものと性能がほとんど変わらないのに「同業他社のものと較べて印刷速度2倍」などと表示したりすることです。

優良誤認表示を行った場合、消費者庁の方から、優良誤認表示を止めるよう、再発防止策を実施するよう、今後同じようなことを行わないよう命じられ(「措置命令」といいます。)、命令に違反すると2年以下の懲役または300万円以下の罰金といった刑罰が科せられる可能性もあります。

 

■ステマの場合はどうなるのか

景品表示法が規制する不当な表示の「表示」というのは、事業者がお客さんを引き込む手段として商品やサービスの内容について行う広告等についての表示のことです。

したがって、消費者が自主的に掲載した口コミについては規制は及びません。

しかし、事業者自らが消費者を装って口コミ情報を流した場合、あるいは事業者がお金を払って口コミ情報を流してもらった場合は、たとえお客さんの口コミという体裁であったとしても景品表示法の「表示」に当たり規制が及びます。

その結果、一般の広告と同様、例えば、実際は国産の一般牛しか提供していないのに「松坂牛を提供」という口コミを流してもらったりとか、他の同業者とほとんど変わりのない食材・味・評判なのに何の根拠もなく「Bと較べてAは絶品」という口コミを流してもらったような場合、優良誤認表示に当たります。

要するに、たとえステマでも一般の広告と規制は変わらないわけであって、事実に反しないようにしないとダメだし、事実であることの根拠を求められた場合に根拠を示せるようにやらないとダメだということになります。

 

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

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