妻から夫への「逆DV」・・・被害に遭った時にするべきこと

DV被害というと「妻が夫から受ける暴力」を思い浮かべる人が多いのではないかと思います。

しかし、実際には、夫が妻の暴力被害にあっているケースも少なくなく、近年増加傾向にあるという統計結果も出ています。そこで、今回は、夫が妻から受けるDV被害について考えていきたいと思います。

わたなべ りょう / PIXTA(ピクスタ)カップル男女

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■夫のDV被害特有の問題点

夫がDV被害者の場合、妻のDV被害に比べて、被害が明らかになりにくいという問題があります。

もちろん、妻が被害を受けている場合も、他人に相談できずひとりで問題を抱え込むケースは少なくありません。

しかし、近年は女性に関しては公的な支援が浸透してきたこともあり、そのような機関や周囲の人たちに相談をする女性も増えてきたようです。

これに対して夫の側は、おそらく、そもそも女性である妻から暴力を受けているという事態を、男性として恥ととらえる傾向が強いといえるでしょう。

また、「家庭も満足に仕切れない男がろくに仕事などできるわけがない」などと見られる可能性もあり、勤務先での立場が悪くなると考える傾向も強いようです。そのため、周囲に相談できず、被害に耐え忍ぶケースが非常に多いといえます。

写真や録音などの証拠が残っているケースも極めて少ないため、夫のDV被害は明らかになりにくいといえます。

また、これらの問題をクリアして調停や訴訟で離婚の手続をとることが可能な場合でも、夫と妻の間の経済格差から慰謝料を妻からとることが難しいといった問題があります。

養育費や財産分与をするとなると、被害者は夫であるにもかかわらず、離婚によって妻の側が経済的に得をするケースも少なくありません。離婚に至っても、夫の側には不公平感が残る結果になってしまうのです。

 

■DVを受けたらすべき対策

やはり、一般的には、夫の場合、「女である妻から一方的に暴力を受けている」という主張について、疑いを持たれやすいことは否定できません。

ですから、暴力を受けて怪我をした場合には、必ずその状況を写真にとっておく、キレ始めた妻の状況などを明らかにするために、途中からでもいいので可能な限り録音する、暴力を受けたら、そのことを日記やメモにしてリアルタイムで残しておく、病院にいて診断書をとっておく、など、マメに客観的な証拠を残しておくことが重要ではないかと思います。

そして、離婚の手続については弁護士に、身辺の安全を確保するためには警察や公的な相談機関などに相談することが必要です。

慰謝料をもらえなくても、実質的に慰謝料相当分を考慮した条件で離婚する(例えば財産分与を調整する)ことも、状況次第で可能になることもあります。

 

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●恥ずかしがらずに相談することが第一歩

男性のDV被害を幅広く救済するためには、被害を受けている男性ひとりひとりがその被害を申告・相談することが第一歩となります。

被害男性の声がもっと広がれば、男性のDV被害は恥ずかしいことではなく、被害を受けたことを前提とした条件で離婚することも徐々に可能になっていくのではないかと思います。

 

*著者:弁護士 寺林智栄(ともえ法律事務所。法テラス、琥珀法律事務所を経て、2014年10月22日、ともえ法律事務所を開業。安心できる日常生活を守るお手伝いをすべく、頑張ります。)

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寺林 智栄 てらばやしともえ

ともえ法律事務所

東京都中央区日本橋箱崎町32-3 秀和日本橋箱崎レジデンス709

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