「改正風俗営業法」で無くなるかもしれない、意外なお店とは

深夜0時以降、店内の照度10ルクス以上であれば、酒類を提供しない場合は飲食店として24時間営業が可能、酒類を提供する場合でも風俗営業ではなく「特定遊興飲食店営業」となり、許可制で24時間営業が可能ということになりました。

10ルクスと言われてもあまりピンときませんが、目安としては、休憩中の映画館の館内の明るさ程度とのことです。

このように、改正風営法は全般的に従前の風営法の規制を緩和するものとなり、事業者側では評価する声が高いのですが、逆にスポーツバーなどでは規制がかかってしまう可能性が生じてしまいました。

これまで、スポーツバーは飲食店でありましたが、スポーツの映像を流すのみにとどまらず、店側が意図的に雰囲気を盛り上げようとする場合には、飲食の提供にとどまらず、「遊興」を提供しているということで風営法の適用になり、照度が10ルクス未満の場合は(3)の風俗営業に該当すると判断され、深夜営業が禁止されてしまう可能性があるのです。ライブハウス、ジャズバーなども同様です。

スポーツバーサッカー

スポーツバーもライブハウスもジャズバーも照度を10ルクス以上にすれば特定遊興飲食店営業として、24時間営業が可能なのですが、許可を得るためにはさまざまな条件をクリアしなくてはなりませんし、そもそも店内の照度を10ルクス以上にしてしまうと店内の雰囲気が台無しになるのではないかという意見もあり、この点は大きく賛否が分かれている点であります。

風営法改正で規制が緩和されたことが、かえって従前風営法の規制外だった業種に規制をかけてしまう結果となってしまったのは皮肉なことです。まだ改正風営法は施行されていませんが、施行後は、どのような事態が生じるのかを慎重に見守っていきたいと思います。

 

*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

*yokotaro / PIXTA(ピクスタ)

山口 政貴 やまぐちのりたか

神楽坂中央法律事務所

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