ネットの炎上、なぜ起こる? 気をつけるべき点とは

■常識の欠如が理由のことが多い

Twitterは「バカ発見器」などと言われたりしているようですが、いわゆる「バカッター」と言われる事例を見ていて分かるのは、“常識的にそれをやったらマズイだろう”ということを軽々と踏み越えているということです。

ネットは何をしてもよい場所だと考えている人もいますし、ネット上には「モラルがない」などと言われることも多いのですが、他方で、一般常識や見識が疑われるようなものについて、ネットの世界は極めて厳しい反応を見せ、一斉にバッシングをする傾向があります。

意図的であれ無意識であれ、社会常識のない投稿してしまえば、炎上してしまうリスクがあるのです。

 

■SNSはLINEやメールではない

Twitterなどで親しい人とだけ交流していると勘違いしやすいのですが、これがLINEやメールのような連絡ツールとして利用している人が少なくありません。

しかし、当然のことですが、SNSはネットに接続され、全世界に公開されています。

親しい人だけが見ているという前提で安易な投稿をしてしまうと、炎上ネタを世間に提供することになります。

 

■気を付けるべき点は?

これらの点から逆算すれば、SNSが公開されていることを認識し、社会常識に沿った行動を取れば、炎上のリスクは大幅に減らすことができるでしょう。

あまりに当然のことと思われるかもしれませんが、これができていないということが多くの炎上事件の実態です。

 

■個人アカウントはさっさと削除!

では、個人のアカウントで炎上を発生させてしまった場合、どうするべきでしょうか。

この点は異論があるかもしれませんが、有名人であるといった事情がなければ、自分が持っているSNSやブログのアカウントは早急に削除すべきと考えています。

個人アカウントには過去の投稿も存在していますが、炎上すると過去の不適切な行動についても根掘り葉掘り調べられ被害が拡大するだけでなく、個人情報を調べられ「特定」されてしまうおそれがあるからです。

アカウントを消すと「逃亡した」などと批判されることもありますが、アカウントを残しておくデメリットの方がはるかに大きいのではないかと思います。

 

■企業はどう対応すべき?

先にあげた某銀行の例でいえば、炎上を発生させたのは従業員(とその家族)ですが、炎上の影響は勤務先である銀行に及んでいます。

そのため、企業としても何かしらの対応を要求される場面といえます。

炎上中は、炎上をネタとして楽しみにしている人も多いため、続報が探されている状況です。その状況だと、不確かな情報でも「新たな情報」として炎上を加速させることがあります。

この点を逆手に取ると、現在把握できている情報が何で、追加の情報がないことや、追加の情報がいつ出るのかが分かれば、情報が整理され、炎上が鎮火しやすくなるということがいえます。

そこで、企業としては、把握している事実関係と今後の情報提供のタイミングを、早急に発表するべきでしょう。また、企業としての責任もある場合には、謝罪や再発防止策といった点も併せて発表するべきでしょう。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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