芸能人にプライバシーはない? スクープ写真、拡散に違法性はあるのか

■リベンジポルノ防止法やストーカー規制法

また、プライベート写真が流出する理由はいろいろあると思いますが、別れた後に腹いせで流出させるといったことがあります。このプライベート写真が性的なものであった場合、その写真はいわゆる「リベンジポルノ」と言われるものになります。

2014年11月に、いわゆるリベンジポルノ防止法が施行されており、たとえば裸の写真だけでなく、下着の写真などでも、この法律の適用を受ける可能性があります。

また、このような写真をネットにばらまくことは、ストーカー規制法にいう「つきまとい」に当たる可能性もあります。

リベンジポルノ防止法の適用を受ければ、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています。

 

■芸能人にプライバシーはないから流出させても問題ない?

芸能人である以上、このような写真をばらまかれても仕方がない……と考える人は多いようです。

しかし、一定程度プライバシーを商品にしている側面がないわけでないものの、芸能人も一人の人間であり、権利を持っています。プライベートな写真が意図せず流出させられたら、一般人同様に不快に思うでしょうし、見られたくないと思うのが普通です。

そのため、このようなものは削除していくことは可能です(ただし、写真が広範囲に拡散している可能性はあり、削除がかなり大変になるだろうことは予想されますが……)。

また、度を超えた権利侵害をしている人物が誰なのかを特定していくことも、法的には可能です。最初に拡散した人物だけではなく、拡散に加担した者も同じ責任を負う可能性があります。

したがって、芸能人についての情報だからといって、安易な情報拡散をすることにはリスクがあることは知っておくべきでしょう。

 

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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清水 陽平 しみずようへい

法律事務所アルシエン

東京都千代田区霞ヶ関3-6-15 霞ヶ関MHタワーズ2F

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