ブラック企業かどうかを判断するには「雇用契約書」を見てみよう

ブラック企業、ブラックバイト……労働環境についての関心が非常に高まってきています。

しかし、それでもブラック企業と言われる会社が無くならないのも事実。辞めたくても辞められない、入ったら聞いていた話と違う過酷な環境だったなどの話はなかなか無くなりそうにはなりません。

そのような悲劇をなくすために、自分が入る会社がブラックかどうかを判断する材料のひとつに「雇用契約書」があります。

雇用契約書には働く上での取り決めなどが書かれており、(逆に書かれていないことも)あまり気にせずにに了承すると相手の思惑にまんまと引っかかり、ブラックの門を叩くことになってしまいます。

そうならないために、今回は雇用契約書を確認する上でチェックするべきポイントを解説します。

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■雇用契約書は非常に重要

労働契約は、労働者と使用者(企業等)の合意によって成立します。

労働契約にあたっては、労働基準法15条が、賃金、労働時間その他の労働条件を労働者に明示しなければならないとしています。また、それらのうち、労働契約期間や労働時間、賃金など重要な事項については、書面により明示することが義務付けられています。

さらに、労働契約法4条は、企業等は、労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものと定めています。このような法律の規定に基づいて作成されるのが雇用契約書であり、企業等で働き始めるにあたって非常に重要な契約書になります。

 

■ブラック企業かどうかを知るポイント

いわゆるブラック企業については、明確な定義はありませんが、ブラック企業と呼ばれる企業に共通することが多い特徴はとしては、(1)長時間労働など労働時間に関する問題や、(2)入社前に説明を受けていた通りの給与が支払われなかったり、残業代が支払われなかったりするなどの給与に関する問題が挙げられます。

ブラック企業においてこれらの点に苦しんでいるのは主に正社員であるとも言われており、今回は正社員に焦点をあてて解説します。

このうち、(1)については、雇用契約書の中で始業・終業時間や休日が、法律で定められている以上のものがきちんと明記されているかどうかを確認します。労働基準法は、労働時間について1週間について40時間、1日について8時間という基準を定めています。また、週に1日以上の休日や、有給の付与についても確認します。

次に、(2)については、実際に自身が受け取る賃金が記載されているか(モデル事例を記載していないか)、時間外労働に対する賃金(残業代)についてきちんと定められているかを確認するのがよいでしょう。

 

■その他注意すべきポイント

ほとんどの企業等においては、就業規則を定めることが義務付けられています。そのような就業規則は、企業等が労働者に周知させていた場合、労働契約法7条により、労働契約の内容になるとされています。

「周知」とは、企業等が労働者に対し就業規則の閲覧を促し、容易に閲覧できる状態におけば足りるとされていますから、労働者が実際に就業規則を読んで確認していなくても労働契約の内容となってしまいます。したがって、企業等に入社するにあたっては、就業規則にまで目を通させてもらうのが懸命でしょう。

ブラック企業とはどんな企業であるかみてきましたが、むしろ、ブラック企業は、そもそも雇用契約書を取り交わさないことが多いと言われることもあります。労働条件については、口約束だけではなく、きちんと雇用契約書を作成してもらい、内容を自分で精査するのがよいでしょう。

 

*著者:弁護士 鈴木翔太(弁護士法人 鈴木総合法律事務所)

鈴木 翔太 すずきしょうた

弁護士法人 鈴木総合法律事務所

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