自己破産したらどうなるの? 自己破産のメリット・デメリットとは

自己破産という言葉に皆さんはどのような印象を持っていますか?

ネガティブなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、自己破産は債務者が新たな一歩を踏み出すために必要な前向きな制度です。

もちろんデメリットがありますが、具体的にどのようなデメリットがあるかは、なかなか知らないのではないでしょうか。そしてもちろんメリットもあります。

現在、毎月5,000件前後の自己破産が行われています。いつ自分にとって必要となるか分からない自己破産の基礎について紹介していきます。

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■自己破産とは?

破産というのは、一言で言えば資産と負債を「清算」する手続です。

自己破産は、破産を自ら進んで申し立てることです。

破産した場合、自身が持っている資産は、一定の範囲のものを除いて手放さなければならず、裁判所から選ばれた破産管財人という人によってお金に換えられ、債権者に公平に配られてしまうことになります。

破産自体は、「清算」するだけの手続であって、借金がチャラになるといった制度ではありません。

戦前は、この破産という「清算」の制度だけであったため、破産者は自身の資産を失い、それでも残った借金は支払わなければならないことになっており、「自己」破産などということは考えられないものでした。

むしろ、破産は、債権者の方が債務者に対し、「約束通り支払わないんだったら、あなたの破産を申し立てて回収させていただきますよ」という形で債権者側の取り立ての手段に利用されていました。

これが戦後「免責」という制度ができたことにより、「自己」破産する意味があるようになりました。

 

■自己破産のメリット

最大のメリットは、破産した場合、「免責」の申立てができることです。

「免責」というのは、破産した人が今後の人生を立て直せるように、破産(プラスとマイナスの清算)をしても残ってしまった債務について支払う責任を免除するという制度です。

要するに、今回破産して最低限の責任をとっているわけだから、それでも残ってしまった負債について、破産した人が今後の人生を立て直せるように、支払わないで済むようにしてあげましょうという制度です。

自己破産する人は、皆、この免責を求めて破産を申し立てるわけです。

他にも、自己破産という方法によれば、普通の債権者は破産手続によらないと回収できないことになるので、債務者としては、複数の債権者との間で個別に対応しなくても済むというメリットもあります。

 

■自己破産のデメリット

デメリットとしては以下のようなものがあります。

・資産のほとんどを手放さざるを得なくなること

破産した場合、自宅や車や預貯金・保険といった資産のほとんどを手放さないといけなくなります。

・破産するとできない仕事があること

破産した場合、保険の外交員、警備員、証券会社外務員、建設業といった一定の仕事について、免責が確定して復権するまでできなくなります。

・長期の旅行や転居について裁判所の許可を得る必要があること

・郵便物が破産管財人の事務所に転送され、封を開けられたり自分の所に来るまでに時間がかかること

資産調査のために破産管財人に認められている権限です。

事前に破産管財人と相談して大事な郵便物が届いた時に連絡をもらうこともできます。

・官報に掲載されること

そうはいっても、普通の知り合いが官報を見るようなことはないと思います。地方での申立の場合、地方の新聞に掲載されてしまったという話を聞いたことがありますが、都心であれば、そういったこともないでしょう。

・信用情報登録機関のブラックリストに5~7年間掲載され、その間クレジットカードを作ったりローンを組んだりできなくなること

・破産して免責を得ると7年間は再び破産しても原則として免責がされないこと

デメリットとしては以上のようなものぐらいです。

破産したからといって、戸籍や住民票に載るわけでもありません。選挙にだって参加できます。友人や会社から借りていなければ、友人や会社に破産したことを知られることもありません。

 

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお 弁護士

法律事務所あすか

東京都千代田区霞が関3‐3‐1 尚友会館4階

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