「人を殺す練習」でヤギを虐待した小学生・・・なぜ建造物侵入罪で逮捕された?

東京都内の小学校に侵入し、ヤギをバールで小突くなどして虐待した男子中学生が、建造物侵入の疑いで逮捕されました。

IS(イスラム国)に影響を受けて「人を殺そうとヤギで練習していた」と供述しているといいます。このような動機はさることながら、なぜヤギを虐待したことで逮捕されずに、建造物侵入で逮捕されたのでしょうか。

動物に対する虐待の違法性と、建造物侵入について解説していきます。

ヤギ動物

●正当な理由がないのに建造物に侵入するとアウト

刑法では、正当な理由がないのに、人の看守する建造物に侵入した者について、建造物侵入の罪として、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処すると定めています。

侵入とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることをいうとされています。

あらかじめ立ち入り拒否の意思が積極的に明示されていない場合であっても、その建造物の性質、使用目的、管理状況、管理権者の態度、立ち入りの目的などからみて、現に行われた立ち入り行為を管理権者が容認していないと合理的に判断されるときは建造物侵入罪が成立します。

飼っているヤギを虐待するために人が入ってくることを学校側は容認しないと考えられるので、建造物侵入罪の疑いがあるといえます。

 

●ヤギを虐待することは罪にならないのか?

刑法において、動物は物として扱われます。

刑法は、他人の物を損壊し、又は傷害した者について、器物損壊罪として、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処すると定めています。小学校が飼育していたヤギも他人の物といえますが、実際に怪我等を負っていなければ、傷害したと認められない可能性が高いです。

また、動物愛護法という法律もあり、愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者について、動物愛護法違反の罪として罰則を定めています。

また、愛護動物に対して、エサや水をやらなかったり、健康安全を保持することが難しい場所に拘束して衰弱させること、自己の飼育する動物に対して適切に保護しないことや、その他の虐待についても罰金に処するとしています。

ヤギも愛護動物に含まれますが、怪我をしていないような場合は、虐待の程度が低く、動物愛護法違反の罪が成立しない、又はその他の虐待として動物愛護法違反の罪が成立しても逮捕までは認められない可能性が高いといえます。

中学生は、ヤギを殺すつもりだったと供述しているようですが、実際にヤギが負った怪我の程度によっては、器物損壊罪や、動物愛護法違反の罪での逮捕が難しいため、確実に要件をみたすであろう、建造物侵入罪による逮捕がなされたのでしょう。

 

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