みのもんたさんの「毎日2リットル水飲め」で病気になった女性・・・気になる「4つの問題点」

千葉県の女性とその息子が、タレントのみのもんたさんを訴えたことがニュースになっています。

過去にみのもんたさんが司会を務めていた「午後は○○おもいッきりテレビ」と「おもいッきりイイ!!テレビ」というお昼の番組で、「お年寄りは脱水症状になりやすいので毎日水を2リットル飲むこと。」などと、頻繁に一日2リットルの水分補給をすすめていました。

この発言を信じて実践した結果、水を多く摂取し続けたことが原因となる「うっ血性心不全」などを発症したため、提訴をしたということのようです。

このニュースを見るかぎり、僕が気になったのは、(1)時効の問題、(2)因果関係(証明)の問題、(3)過失の問題、(4)訴訟対象者の問題の4点です。

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●時効の問題について

本件は、おそらく不法行為に基づく損害賠償を請求しているものと思われます。

その場合、時効はたったの3年です(短い!)。記事によると、病気が発症したのが2010年8月ですので、既に5年近く経過しています。その後も現在まで病気が継続しているということで時効の問題をクリアできるかという点は、(2)の因果関係の問題に繋がるところです。

 

●因果関係(証明)の問題について

水を毎日2リットル飲んだということと(原因)、病気が発症し継続していること(結果)の間に因果関係があるという証明が出来るかという問題です。

世の中、水を2リットル以上飲んでいる人は一定数いそうですし、この女性が水をたくさん飲んだことが直接的な原因でそういった重篤な病気になったことやそれが少なくとも訴訟提起の3年以内まで継続していたこと証明することはなかなか大変かもしれません。

また、根本的な問題ですが、そもそもこの女性が「毎日水を2リットル飲んでいた」という前提事実を証明することも、意外と難しいのではないかと思います。

 

●過失の問題について

みのもんたさんに法律上責任を負うレベルでの過失があるかという点も問題になりえます。

過失とは、簡単にご説明すると「うっかりミス」です。少々小難しくいうならば、「普通なら結果を予測できたのにそれをせず、結果の回避が可能だったのにそれもしなかったこと」を言います。みのもんたさんに、女性の病気の発症を予測できたと言えるのかという点は医学的な問題になりそうです。どういった方法で立証していくのか、それに対してみのもんたさん側がどのように反論していくのか、非常に興味深いところです。

 

●訴訟対象者の問題について

なぜこの女性はみのもんたさん個人を訴えたのでしょうか。

テレビでみのもんたさんが行った発言は、おそらくですがテレビ局の台本によるものでしょう。少なくとも、全く予定にないことを個人的な意見として言ったわけではないと思われます。

そうであるならば、番組から発信する情報として、「水を毎日2リットル飲めば健康になる」というテーマを選んで放送したのはテレビ局です。女性がみのもんたさんを訴えた内容が認められるのであれば、ほとんどの場合、テレビ局に対する責任も認められることを意味します。

テレビ局も一緒に訴えなかったのはなぜなのか、記事に出ている情報のみでは判断できませんでした。

 

●最後に

以上は、あくまでもニュースになっている情報のみを参考に書いております。裁判資料等に触れてのものではありませんので、的外れな指摘をしている可能性もあります。本稿を読まれる際はこのような前提でご理解、ご留意ください。今後、両当事者が上記の点についてどういった主張立証を行っていくのか、それに対して司法がどういった判断を下すことになるのか、興味深く見守っていきたいと思います。

 

*著者:弁護士 河野晃 (水田法律相談所。兵庫県姫路市にて活動しております。弁護士生活5年目を迎えた若手(のつもり)弁護士です。弁護士というと敷居が高いと思われがちな職種ですが、お気軽にご相談していただけるような存在になりたいと思っています)

河野先生
河野 晃 こうのあきら

水田法律事務所

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