事件発生から死刑確定まで何年もの時間がかかる理由

2008年に東京・秋葉原で7人が殺害された通り魔事件で殺人罪などに問われた加藤被告の上告審判決が2015年2月2日にあり、上告棄却の結果、死刑判決が確定しました。

秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込んで歩行者5人をはね、その後ナイフで12人を刺したという悪質な事件でしたが、事件から死刑判決が確定するまで7年近く経過しています。

死刑判決までかなりの時間がかかっているようですが、なぜこれほど時間がかかるのでしょうか。

牢獄
●判決確定までの流れ

通常、犯罪の被疑者は捜査機関によって逮捕され、その後検察官によって起訴するか否か決定されます。

公訴が提起されると、裁判所での審理が開始され、有罪か無罪か、有罪の場合は具体的な宣告刑が示されます(第1審)。この判断に対して、不服があれば検察官・被告人はそれぞれ控訴の申し立てをします。さらに、その判断に不服があれば、上告を申し立てることができます。

今回は、上告審の調査の結果、上告が棄却されたので死刑が確定しました。

 

●今回の裁判の時系列

秋葉原の通り魔事件は2008年6月に起きましたが、2008年10月に起訴され、第1審の初公判が開かれたのは2010年1月に行われ、2011年3月に死刑判決がなされました。

控訴審は2012年6月に開かれました。2012年9月に控訴審棄却の判決がなされました。そして、上告審は2014年12月に開かれ、2015年2月2日に、上告が棄却されました。

第1審にも1年少しかかっていますが、証拠調べなどを行ったり、互いの主張の提出を待つと、ある程度時間はかかるでしょう。

しかし、起訴から第1審の初公判までと、第1審の判決から控訴審が開かれるまで、控訴審の判決から上告審が開かれるまでの期間が同様に長くなっています。この間には、一体何が行われているのでしょうか。

 

●公判前整理手続

起訴から第1審の初公判までの間には、公判前整理手続というものがなされる場合があります。公判前整理手続きとは、裁判が始まる前にあらかじめ事件の争点・裁判に提出する証拠などを整理し、明確な審理計画を立てる手続のことをいいます。

この事件でも、この公判前整理手続が実施されました。平成25年に最高裁判所が出した報告書は、審理期間の長さを決定するのはもっぱら公判前整理手続期間であると述べています。自白事件では平均5か月、否認事件では平均8.6ヶ月という長期にわたっています。

検察官・弁護人がそれぞれ主張したい事実を記載した書面を提出したり、裁判所での話し合いが何度も行われるので、かなりの期間がかかります。

 

●控訴審や上告審を開くためには

控訴や上告の申立がなされた後は、当事者が自己の主張をまとめた書面を提出します。この主張がしっかりしていないと自己の主張が認められないので、どのように主張するか調べたり考えたりする時間が長くかかる場合もあります。

このように普段は見えにくい部分ですが、様々な準備に時間がかかっているため、最終的に判決が確定するまでの期間が長くなっています。重大な事件であるにもかかわらず、いつまでも刑が決まらないと不満を感じることもあるかもしれませんが、重大な事件であればこそ時間がかかってしまうのかもしれません。

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