●雪下ろしで不法行為に
最近も死亡事故が発生した、雪下ろし。特に屋根に乗って雪下ろしをすることは危険です。自分自身が落下するおそれがありますし、通行人に雪を落としてしまう危険もあります。
少し古い統計ですが、2000年から2009年までの10年間に自然災害で亡くなったり行方不明になった方は1,134名でその内434人が雪害によるものです。
雪害のなかには雪崩による死亡などもありますが、ほとんどが雪下ろし中の事故です。
雪下ろしには細心の注意が必要です。誤って自分が落下した場合は自己責任ですが、他人に怪我をさせたような場合は不法行為責任を負います。
●お賽銭やお年玉は贈与契約
正月には、初詣に行く人が多いと思います。初詣は、割と新しい風習で、最初は、列車の乗客を増やすためのキャンペーンだったそうです。成田山や川崎大師などが有名ですね。お年玉も正月の風物詩です。
法的に見ると、賽銭を投げ入れることやお年玉を上げることは、贈与契約です。贈与契約ですから、一旦履行すると返してくれと言えなくなります。
あるいは、年末にお年玉をあげると約束しても、それを撤回するのは自由です。贈与契約は、実際に履行するまではいつでも撤回できる契約です。
●車のスリップで事故
雪国では、車の運転にも注意が必要です。夏用のタイヤだとスリップして事故を起こしてしまいます。交通事故を起こすと民事の不法行為責任以外に刑事罰(罰金、懲役など)を受けたり行政罰(減点、免許取消など)を受けたりします。チェーンをまくか冬用のスタッドレスタイヤにして、細心の注意で運転してください。
●全てのトラブルはすぐに通報
年末年始には、事故が増えます。自動車事故もそうですが、冬山での遭難やスキーやスノボの事故も増えます。事故に遭った場合は、すぐに110番通報とけが人がいれば119番通報をしてください。これらを怠ると処罰されることもあります。
トラブルは冬だけのものではありません。トラブルにあわないように注意していてもあってしまいます。トラブルにあったときは、おちついて一番良い対処を考えましょう。
*著者:弁護士星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)