日本への入国を拒否できる「入管難民法」って何?

世界各地で違法性を伴う活動を行っている環境保護団体「シーシェパード」について、菅官房長官が、2014年の1年間で関係者11人の日本への入国を拒否したことを明らかにしました。

入国を拒否したということですが、これは「入管難民法」などと呼ばれる法律にのっとり行われたことです。それではこの入管難民法ではどのような時に入国を禁止することができるのでしょうか。解説して行きます。

シーシェパード

■出入国管理及び難民認定法はどんな法律?

出入国管理及び難民認定法(略して入管法、出管法とも呼ばれます。)は、日本に入国したり日本から出国する全ての人の出入国を公正に管理することと、難民の認定手続の整備を目的とする法律です。

要するに、出入国管理及び難民認定法は、問題のある人が日本を出たり入ったり居座ったりして日本国家と日本にいる国民の安全や利益が侵害されることのないように規制したり、日本国家として保護すべき難民をどういうふうに認定していくかについて定めたりしているわけです。

 

■出入国の公正な管理とは?

出入国の公正な管理の具体的な内容は、日本人の場合と外国人の場合とで異なります。

日本人の場合、出入国の公正な管理は、出国の確認と帰国の確認が主な内容で、まさに出たり入ったりしたことの確認ということになります。その際、パスポートにハンコをもらうわけです。

これに対して外国人の場合、入国の審査、在留の管理、退去強制手続の実施といったものも出入国の公正な管理の内容に含まれることになります。

外国人の入国の審査は、問題のある外国人が日本に上陸しないよう、入国審査官がパスポートやビザを確認し、また上陸のための条件を満たしていない外国人の日本上陸を拒否する手続です。

 

■「観光目的」の嘘がバレた?

今回、シーシェパード幹部は日本への上陸を拒否されたわけですが、それはこの手続によるものです。

外国人が日本に上陸するためには、日本にいてもいいという条件(在留資格といいます。)が必要です。

そして、在留資格には技能実習、留学、興業、教育、短期滞在(観光はこれに該当します。)等々色々ありますが、それぞれの在留資格に応じて日本にいてもいい期間・日本ですることができる活動が決まっています。

そこで、入国審査官は、日本に上陸しようとする外国人について、本当に在留資格があるかどうかを審査し、ないと認めれば日本への上陸を拒否するわけです。

シーシェパード幹部は、観光を目的として日本に上陸しようとしたわけですが、滞在期間中の予定についてまともに説明できず、入国審査官から観光という目的が嘘である可能性が高いと疑われて上陸を拒否されたのでしょう。

外国人の在留の管理は、日本に上陸した外国人について、在留期間の更新・在留資格の変更・資格外活動の許可等々を審査する手続です。

退去強制手続は、日本で問題を起こしたり在留期間を超えて滞在したりしている外国人を日本から強制的に出国させる手続です。

 

■難民の認定とは?

難民とは、人種や宗教や政治的意見等々を理由に迫害を受けるおそれがあるということで自分の国に帰ることができない者のことです。俗に亡命者とも言います。

日本で難民と認定された外国人は、日本国家の保護が与えられ日本にいてもいいことになります。

出入国管理及び難民認定法は、こうした難民を認定する手続について定めているわけです。

 

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*画像: Neale Cousland / Shutterstock.com

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお 弁護士

法律事務所あすか

東京都千代田区霞が関3‐3‐1 尚友会館4階

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