2014年「消費者問題に関する10大項目」 その内容とは?

富士山

今年も、国民生活センターから「消費者問題に関する10大項目」が発表されました。

これは、消費者問題として社会的注目を集めたものや消費生活相談が多く寄せられているもの等から、国民生活センターが選ぶものです。

10大項目は以下のようになっています。

 

●1…高齢者の消費者被害依然として多く 認知症等の被害者も目立つ

契約当事者が65歳以上の相談は、全相談の3割近くを占めています。認知症等の理由によって判断能力が不十分な状態になっている高齢者の被害も目立っています。

 

●2…事業者からの個人情報の大量流出事件発生

2014年は、株式会社ベネッセコーポレーションが保有する顧客の個人情報が大量に流出する事件が発生しました。経済産業省や消費者庁がガイドラインの改訂等の再発防止策に取り組んでいます。

 

●3…公的機関等をかたる詐欺的勧誘が急増 国民生活センターをかたる電話も頻発

個人情報流出事件を受けて、「あなたの情報が流出していないか確認してあげる」「あなたの個人情報が漏れているので、削除してあげる」などと電話がかかってきた等、個人情報についての不安につけこむ詐欺が昨年より急増しました。公的機関の職員、複数の業者や弁護士などを名乗る多数の役回りが登場して、最終的にお金をだまし取る「劇場型勧誘」も多くみられます。

 

●4…食の安全と信頼が脅かされる事件が相次ぐ 食品の安全性に関する相談がここ5年で最多

昨年末に発生した、冷凍食品の一部に農薬が混入された事件を始めとして、チキンナゲットを製造する中国工場での不衛生な実態の発覚、輸入ししゃもへの汚物付着など、食品の安全や衛生に関する問題が相次いで明るみに出ました。また、メニュー表示の偽装が明るみにでた企業も多くありました。

 

●5…インターネット通販などのネット関連トラブルは引き続き増加

インターネット関連の相談、特に、インターネット通販に関する相談件数が増えています。また、SNSをきっかけとしたインターネット通販トラブルも増加しています。コピー商品や偽造品などの「ニセモノ」に関するトラブルも多いです。

 

●6…遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルが急増

大手電話会社の関連事業者を装った相手に、プロバイダ契約の内容変更を遠隔操作でしてもらった後のトラブルについての相談は、2013年同期と比べ、5倍以上と急増しました。

 

●7…若者に投資関連トラブルが拡大 バイナリーオプション取引などが顕著

インターネットで簡単に取引が始められることもあり、バイナリーオプション取引の相談では、20歳代の契約当事者が全体の約半数を占めるなどの特徴が見られます。大学生に借金をさせて高額な投資用DVDを購入させ、支払いに困ると、人を紹介し契約させればマージンが得られると友人を勧誘させる手口が、再び増加しました。

 

●8…繰り返される子どもの事故 事故防止へのさまざまな取り組み

乳幼児の誤飲事故や溺水事故等、子どもの事故が繰り返し起きています。国民生活センターでは、ボタン電池の誤飲事故や、ペダルなし二輪遊具の坂道での事故、浴槽での首掛け式浮き輪での溺水事故に関して注意喚起を行いました。子ども用衣料に付属するひもやブラインド等のひもの事故に関連するJIS制定等の検討や、教育・保育施設での事故情報収集の検討など、各方面での取り組みも行われています。

 

●9…消費税が8%にアップ 相談も増加

2014年4月1日から消費税が5%から8%に上がりました。便乗値上げや表示に関する相談が多く消費生活相談窓口に寄せられました。

 

●10…消費者関連法規の改正により地方消費者行政の基盤を強化

食品表示等の不正や高齢者の消費者被害など、消費者の安全・安心をめぐる問題を背景に、消費者安全法、景品表示法の改正法が6月に成立・公布されました。消費者安全法に関しては、地域の見守りネットワークづくり、消費生活相談体制の強化、消費者行政職員・消費生活相談員の確保と資質向上が盛り込まれました。景品表示法に関しては、行政の監視指導体制強化や、事業者が講ずべき表示等の管理上の措置などが盛り込まれました。

 

2014年は、個人情報の大量流出など、社会を騒がせた重大な事件が相次ぎ、消費者の不安が高まりました。また、それにつけこむ詐欺的勧誘も多く起こりました。毎年、様々な問題が発生し、新たな詐欺の手口なども生まれ続けています。

2015年の消費者問題はどのようになるのかまだ分かりませんが、少しでも被害が少なく、平和な日常になるととを願います。

 

※参考リンク:消費者問題に関する10大項目

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