「自撮り棒」使っていますか?
棒の先にスマートフォンなどを設置し、手元のボタンでシャッターを切ることができる便利商品です。セルフィー棒などとも呼ばれ、ここ数年で海外では爆発的な人気となり、日本でも利用している姿を見るようになりました。
そんな中、自撮り棒が大人気となっている国の一つ、韓国では、Bluetoothを利用する一部の自撮り棒などが電波法などで規制、使用者は処罰される動きがあるようです。
日本にも電波法はありますので、自撮り棒を使用したことを原因に処罰されるということはあり得るのでしょうか?悪気なく使っていたのに逮捕や罰金刑になってしまうということにならないよう、日本における自撮り棒と法律について解説します。
●日本でも自撮り棒は規制対象になる
日本においてもBluetoothを利用するタイプの自撮り棒は、電波法の規制対象になります。
電波法の4条によれば、小電力無線局は適合表示無線設備とされ、技適マークをつけなければならないことになっています。
技適マークは、電波法令の技術基準に適合していることを証明するマークで、「この商品は基準をクリアしていますよ」という証となるマークのことです。身の回りにある電波を発信するものの多くに記載されているはずです。
Bluetooth機能は、まさにこの小電力無線局に当たりますので、技適マークのない自撮り棒は、電波法に違反することになります。
この場合、電波法110条第1号により、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑に処せられます。無線局の開設行為が規制の対象となっていますので、購入して使用する消費者も罰則の対象となります。
●購入する際に注意するべきこと
購入する際は、Bluetooth機能が付いているかどうか、付いているとしたら技適マークが付いているかどうかをきちんと確認する必要があります。
特に、ネットオークションなどで購入する場合など、出品者にしっかりとその旨確認しないといけませんね。
以前にも海外版SIMフリーのiPhoneに技適マークが付いていないなどの騒動があったりしました。通信機器は日進月歩で、かつ、海外から輸入した方が安かったり、機能制限がかけられていなかったりと、ついついそちらに目が向いてしまいますが、技適マークの有無を良く確認して購入するようにしましょう。
なお、購入して使用する者が電波法違反になるものの、販売者はどうかということですが、電波法違反の幇助になり得ると思います。今後、そのような検挙例も出てくるのではないかと思います。
*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)