家を建てたら「住みにくい家」が完成、どうすれば良い?

マイホーム購入は一生に一度の大きな買い物であり、購入した住宅は長期間にわたって住み続けるものであります。

それだけに、住宅購入の際には誰しもトラブルをなくしたいと望むのが当然だと思いますが、実際には購入した際に欠陥があった、想像していたものと大きく異なっていた等、不動産購入時のトラブルはなくなることがありません。

最近では、住宅の建築やリフォームを題材としたテレビ番組も多く放映されていますが、聞くところによると、テレビ番組で題材となった住宅でもトラブルがあるそうです。

このように、住宅に関するトラブルが発生した際、購入者はどのような請求をすることができるのでしょうか。

家建築

●欠陥の場合は損害賠償してもらえる

新築、リフォームされた不動産に瑕疵(かし:欠陥の意味)があった場合には、事業者は民法634条の「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」を負うことになります。この規定により事業者は瑕疵を修理するか、損害賠償をするかしなければなりません。

完成した建物が想像していたものと大きく異なっていたような場合は、事業者は債務不履行責任を負う可能性があります。ただし、異なっている部分が建物の重要部分でない場合や、注文者が意向を事業者に伝えていなかった場合などは、事業者の賠償責任はないか、あるとしても大幅に賠償額が減額される可能性はあります。

 

●テレビ局には損害賠償できる?

仮に、冒頭のように建物の新築やリフォームをテレビ局に取材させていたり、その内容で番組を制作したりしていた場合に、テレビ局に対しても損害賠償請求をすることはできるでしょうか。

結論としてはかなり難しいと思われます。法律では、不動産の新築、リフォームなどは、注文者と不動産会社との間で請負契約が締結されていることになります。テレビ局は不動産の新築、リフォームに関しては当事者ではありません。それゆえ、仮に欠陥があったとしても契約当事者でないテレビ局に請求するということは難しいでしょう。

しかしながら、施工の際、テレビ局側の意見を取り入れて設計し、それに基づいて建設した等、テレビ局側が施工に一定程度関与している場合には、例外的に賠償が認められる可能性はあります。

このようなトラブルを防ぐためには、事前にしっかりと建設会社と打ち合わせをすべきですし、また、場合によっては契約締結の前に弁護士などに契約内容について相談されてみてもよいでしょう。一生に一度の買い物ですから、トラブルが起こらないようにしたいものです。

 

*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

山口 政貴 やまぐちのりたか

神楽坂中央法律事務所

東京都新宿区津久戸町4-1 ASKビル2-B号室

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