弁護士が考える「ブラック企業を見抜く6つのポイント」

最近、「ブラック企業」という言葉がかなり浸透してきました。ブラック企業に入社してしまうと、労働基準法を無視した過重労働を強いられたり、パワハラによって精神的に追い詰められたり、辞めたくても辞めさせてもらえないといった事態に陥ることが多々あります。

そうすると、最も効果的な対策は、そもそも、ブラック企業に入社しないということになります。

そこで、今回は、ブラック企業かどうかを判断するにあたって参考となるポイントをお伝えできればと思います。なお、ここでは、入社前に判断できるポイントに絞って解説していきます。

 

●1…労働条件が求人票・求人広告と異なる。

ブラック企業では、人材の流出が頻繁に起こり、人不足になっています。そのため、人を募集するにあたって、求人広告では手厚い待遇をうたっていることがよくあります。

しかしながら、いざ面接を受けてみると、労働条件については求人広告より低い条件を提案されるという事態が散見されます。労働者にとって労働条件(特に給与)は最も関心の高い事項であり、かかる事項について求人広告とは異なる条件を提案してくる会社は避けたほうが無難ですね。

 

●2…残業代が出ない。

ブラック企業ではサービス残業が横行しています。

面接時に、「残業代は出ない。」、「残業代は基本給に含まれている。」と言ってくる会社は要注意でしょう。いくら給与の額面が高くても、基本給に残業代数十時間分が含まれている(又は基本給のうち残業代の占めるパーセンテージが高い)、残業代手当の占める割合が大きいという会社は、高待遇とはいえません。

なお、固定残業代の支払いは一定の要件を満たせば有効ですが、固定残業代分を上回る残業をした場合にはその差額を会社に請求できることを覚えておきましょう。

 

●3…雇用契約書又は労働条件通知書を交付しない。

しっかりした会社は、雇用契約書や労働条件通知書を交付して、後々紛争にならないように労働条件を明確にします。このような書面を交付しない会社は従業員数が少ない中小企業ではよくありますが、従業員が数十人以上いる会社で交付しないところは労務管理が杜撰である可能性が高いと思います。

 

●4…ネット上の風評が悪い。

最近は、特定の会社を調べるにあたってインターネットで検索するのが一般的です。この場合、会社名を打ち込んでみて、悪い評判・書き込みがたくさんある会社はブラック企業である可能性が高いでしょう。ネット上の風評がそのまま信頼できるかというと疑問ですが、やはり、それなりに悪評がたっている会社は危ないと思います。

 

●5…社員の平均勤続年数が短い。

面接時に社員の平均勤続年数を確認して、同年数が短い会社や同年数について回答しない・曖昧な回答をする会社はブラック企業の可能性が高いです。社員が離職する主たる理由は労働条件に納得していないことですから、離職率の高い会社は労働条件がよくない(労働と給与の対価が見合っていない)可能性が高いでしょう。

 

●6…面接時にやたらと精神論を強調する。

面接時に、面接担当社員が精神論・根性論を強調する会社は、長時間のサービス残業を当たり前と考えているふしがあり、パワハラ紛いの説教が頻繁に行われている可能性が高い。このような会社も要注意でしょう。

以上、ブラック企業かどうかを見分けるポイントを解説してきましたが、入社してからブラック企業と気づいた場合には、精神的に追い詰められる前に転職活動を行い、速やかに退職するのがよいと思います。
なお、事前に提案された労働条件と入社後の労働条件が異なる場合には、労働者は労働契約を解除して即日退職できる(労働基準法15条2項)ことを覚えておきましょう。
*著者:弁護士 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)

川浪 芳聖 かわなみよしのり

琥珀法律事務所

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