日本でも司法取引が導入へ…メリット・デメリットは?

先日、法制審議会が日本でも司法取引の捜査手法を導入することを容認したとの報道がありました。

そこで、今回は、日本で導入が検討されている司法取引がどのようなものか、司法取引を導入した際に起こりえるメリット、デメリットについて説明・検討したいと思います。

牢獄

■司法取引とは?

司法取引とは、被疑者、被告人あるいは弁護人が検察官と刑事事件の処理について合意することを言います。

司法取引は、アメリカで広く行われているようですが、複数の犯罪の一部について認める代わりに残りを審判対象から落としてくれとか、真実を話すから罪を軽くしてくれとかいったものです。

 

■日本版司法取引

日本では、(1)犯罪事実の解明による刑の減軽制度、(2)捜査・公判協力型協議・合意制度、(3)刑事免責制度の3つが司法取引として導入するかどうか検討されています。

(1)犯罪事実の解明による刑の減軽制度は、犯罪者が自分の犯罪の証明のために重要な事実を供述して捜査機関側の証明に協力した場合に、刑を減軽できるという制度です。

(2)捜査・公判協力型協議・合意制度は、被疑者または被告人が他人の犯罪を申告した場合に起訴を見送るといった制度です。

(3)刑事免責制度は、証人に刑事責任を追及しないと約束した上で証言をさせる制度です。

 

■司法取引のメリット

司法取引については、

被疑者らから真実を引き出すことができるのであれば真相解明に有効である、

特に、振り込め詐欺等の組織的な犯罪や贈収賄・談合等の密行性の高い犯罪について、首謀者等真に処罰すべき者を処罰することができるようになる

といったメリットがあります。

 

■司法取引のデメリット

しかし、司法取引については、

・被疑者が取り調べから逃れたいために虚偽の自白をする危険がある

・被疑者や被告人が自分の罪を軽くするために、関係のない他人を巻き込もうとしたり、共犯者に責任をなすりつけたりするおそれがある

・黙秘権の侵害になりえる

・犯罪者と取引することになるので捜査機関に対する国民の不信を招く恐れがある

といった懸念・デメリットが指摘されています。

日本でも司法取引の捜査方法が導入される方向となりましたが、以上のデメリットを排除するための方策が課題となっています。

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

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