オレオレは古い!?「特殊詐欺」最新手口を見破るコツ

振り込め詐欺、最近は母さん助けて詐欺という名称になりましたが、その被害は依然増加の一途をたどっており、平成25年では被害総額が約260億円にも上りました。

振り込め詐欺、母さん助けて詐欺は非合法組織にとっていわば「ビジネス」となっております。

オレオレ詐欺

最近は手口が非常に巧妙化しており、息子役、警察官役、弁護士役など、まるで映画や舞台のように役割を決めてその役を演じるという「劇場型詐欺」と言われる手口が激増しています。

例えば、息子役が「会社の金に手を付けてしまい、明日警察の捜査が入る。すぐにその金を穴埋めしないと逮捕されてしまう。」という電話をかけ、最初に金銭をだまし取ります。その後警察官役が「このままでは息子さんが逮捕されてしまうので、損失補填にお金がかかる。」という電話をかけさらに金銭をだまし取ります。そして今度は弁護士役が「息子さんは逮捕されてしまった。身柄を釈放するのに保釈金がいるのでお金がかかる。」という電話をかけ、またまた金銭をだまし取る、というような手口です。

この手の詐欺は、実は被害者の方も「怪しいな」と思う瞬間があるそうです。しかしながら、万が一本当であったら大変なことになるという危機感と、既に一度振り込んでおりその行為を否定したくないという自己肯定の心理から正常な判断能力を失ってしまい、残念ながら何度も何度も追加で振り込んでしまうのです。

ところが、不思議なことに大半の被害者が「自分は振り込め詐欺には引っかからない」という自信を持っているのです。

■詐欺に遭わないコツ

振り込め詐欺に遭わないコツというのはいくつかありますが、一番大事なのはとにかく「慌てない」ということです。

電話がかかって来ても「では息子の携帯番号に折り返してみる」という余裕があれば詐欺は防げます。仮に銀行に行ってしまったとしても、銀行の人にちょっと相談してみる余裕があれば詐欺は防げます。

とにかく、一直線に行動を起こすのではなく、慌てずにちょっと考えてみる時間を作るだけで詐欺は完全に防ぐことができます。

反対に、詐欺の電話がかかってきたら電話口で相手方を論破してやろうというお考えの方は逆に危ないかもしれません。相手は様々な事態を想定し、それこそ台本のようなものを作成してそれをしっかりとマスターしています。生半可な知識では太刀打ちできません。相手と話しているうちに相手のペースに巻き込まれてしまい、最終的に振り込んでしまう可能性が極めて高くなります。

1回振り込んでしまった人は、詐欺軍団にとって「優良顧客」「カモ」です。手を変え品を変え、いろいろな手口で更なる勧誘が次々にやってきます。1回振り込んでしまったことは残念ではありますが、更なる被害拡大を防ぐためにも、ここでも慌てずに先ほど述べた方法でちょっとだけ考える時間を作ってください。

まだまだ減少の兆しが見られない特殊詐欺であり、残念なことに手口は日々進化しています。しかしながら、ちょっとだけ考える余裕を持てばどんな手口で来たとしても詐欺は防げます。これ以上詐欺の被害が増えないように気を付けてください。

以前書いた「悪質な「オリンピック詐欺」知っておきたい対処法3つ」もあわせてチェックしてみてくださいね。

*参考:特殊詐欺(振り込め詐欺等)ホーム :警視庁

山口 政貴 やまぐちのりたか

神楽坂中央法律事務所

東京都新宿区津久戸町4-1 ASKビル2-B号室

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