スカイマークの新ミニスカ制服に従業員は抗議できる?

航空会社スカイマークが2014年春から一部路線で導入する新しい制服が話題になっています。ワンピースのミニスカートということでネット上では賛否両論の様相が見られますが、客乗連という労働組合の関連組織は「迷惑行為を誘発しかねない」と危惧し、国土交通省に申し入れを行ったと伝えられています。

その理由は、航空法で禁じられている「機内の秩序を乱す行為、性的嫌がらせ」をお客に誘発しかねない、ひと目を気にすることで保安任務に集中できない、緊急時の滑り台使用でケガをする恐れがある、といったところにあるようです。

今回はこの問題について、労働組合でなく現役の従業員が会社に対して抗議をし、新制服の採用を中止させることができるかどうか、また抗議に伴うリスクについて、検証してみたいと思います。

CAミニスカート

現段階では、乗客連という労働組合が、国土交通省に申し入れを行ったという段階のようですが、これ以上ということになりますと、労働組合による団体交渉として、会社の取締役会に申し入れをし、交渉をすることが考えられます。

しかしながら、これはあくまでも話し合いに過ぎず、役員の方には交渉の席につく義務はありますが、聞き入れる義務はありません。

そうすると、次の段階ではどうなるでしょうか?

今度は、裁判所に新制服の採用中止の仮処分の申し立てをするという手だてが考えられます。航空法によって認められている、「機内の秩序を乱す行為、性的嫌がらせ」を誘発する行為を防止し、もって、客室乗務員が集中して保安任務を遂行する権利を被保全権利とする仮処分の申し立てということになるでしょう。

もちろん、会社とすればこのような行動を起こす従業員に対して、良い感情を抱く訳がなく、パワハラ、退職勧奨、不当解雇などの問題が生じるかも知れません.そのときには、損害賠償を求め、不当解雇であれば解雇無効を求め、新たに従業員としての地位確認の仮処分、給料の仮払いを求めて、法的措置を講じて行くことになりましょう。

もし、このようなことが公になれば、当然社会問題化していきますし、会社のイメージも悪くなるでしょうから、会社としてもどこかで折り合いをつけざるを得なくなり、新制服の採用が中止されることもあるかもしれませんね。

小野智彦
小野 智彦 おのともひこ

大本総合法律事務所

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