フィギュアに安い値札「貼替え」詐欺罪ってどんな罪?

三重県内の警察署に勤務していた50代の男性巡査部長が、「仮面ライダー」のフィギュアに別の値札を貼り付けて購入しようとしたとして1月10日に詐欺未遂で書類送検されていたそうです。

犯罪行為であることは明確で、県警の懲戒処分に対して男性は依願退職したとのことです。

今回は、この詐欺罪がいったいどんな罪なのか、値札の貼替え以外にはどんなケースがあるのか、などお伝えしたいと思います。

値段貼替え

刑法246条は、第1項で「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」と規定し、第2項で「前項の方法により(=人を欺いて)、財産上の利益を得、または他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」と規定し、詐欺の罪について規定しています。

そして、刑法250条は、詐欺の未遂についても処罰すると規定しています。

詐欺の罪が刑罰を科してまで守ろうとしているのは、他人の財物や財産上の利益です。

■詐欺の罪はどんな時に発生する?

詐欺の罪は、相手方が財物を交付したくなる意思を起こさせる詐欺行為を行い、相手方が錯誤に陥って財物を交付した場合に既遂となります。

詐欺行為を行ったけど、相手方を騙すことができなかったり、相手方を騙すことはできたけど財物の交付を受けることができなかった場合は未遂です。

今回、男性巡査部長が仮面ライダーのフィギュアに他の商品の安い値札を貼り付けてレジの店員に提示したという話ですが、男性巡査部長の行為は、レジの店員にフィギュアが安い値札通りの価値しかないと思わせ、レジの店員から仮面ライダーのフィギュアの交付を受けるために、フィギュアに安い値札を貼り付けレジの店員に提示したわけですから、詐欺行為に当たります。

しかし、男性巡査部長の行為は、レジの店員を騙すことができなかったので未遂になります。

■他に身近な事例は?

他にも身近にありそうな詐欺の例として、釣銭詐欺、無銭飲食、無賃乗車、世間で騒がれている例として、保険金詐欺、振り込め詐欺があります。

釣銭詐欺は、釣銭が多いことに気付いたにもかかわらずそのまま黙って受け取る場合ですが、積極的に嘘を言わない不作為の場合にも詐欺の罪が成立します。お店の店員にも落ち度がありますが、それでも犯罪です。釣銭を間違えた方が悪いでは通用しません。

無銭飲食は、支払う意思がないのに食事を注文する行為です。家に財布を置き忘れただけで、支払う意思がある場合、詐欺の罪は成立しません。しかし、その場合でも、詐欺の罪の疑いはかけられます。支払う意思があったかなかったかは、人の内面ですが、その場の態度・言動によって判断されることになります。気付いた時点でお店の人に説明して理解してもらい、なるべく早くお金を用意して支払う必要があるでしょう。

無賃乗車は、支払う意思がないのにタクシー等に乗車して役務の提供を受ける行為、あるいは自宅まで送ってもらった後「お金が足りない。自宅から持ってくる」等と嘘をついて支払いを免れようとする行為です。

保険金詐欺は、保険事故を偽装して保険会社から保険金を騙し取ろうと請求した場合に詐欺の罪が成立します。

振り込め詐欺(母さん助けて詐欺)は、自分が近親者でトラブルに巻き込まれていて今すぐお金が必要であるというような嘘をついて、相手にお金を用意させようとする行為です。似たような詐欺として、「いくらいくら手数料を前払いしてもらえれば、まとまった金額を融資します」といった融資詐欺もあります。振込詐欺や融資詐欺の場合、被害額が多額になる場合も多く、実刑判決が出る場合も多いです。

振り込め詐欺や融資詐欺に遭った場合、被害に遭ったお金を取り返すのは困難です。こうした被害に遭わないよう、お金を急ぎで用意して欲しいという電話が掛かってきた場合、お金を用意する前に家族・友人・警察に相談するようにしましょう。

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冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

法律事務所あすか

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