元力士が韓国籍ホステスと「偽装結婚」なぜ罪になる?

大相撲元関脇琴富士が偽装結婚をしたとして、その相手韓国籍のホステスと共に逮捕されました。2人は別居しており、ホステスは元関脇に125万円の報酬を支払っていたとのことです。

ホステスは永住資格を取るための偽装結婚だったことを認めていますが、元関脇は「いずれ一緒に暮らすつもりだった」と容疑を否認しているそうです。

偽装結婚が罪になるのはどんな場合か、なぜ生じるのか、どんな罰則があるのか、などまとめてみました。

偽装結婚

まず、一つ紹介しておきますと、偽装結婚の他に偽装離婚という言葉があります。面白いことに偽装離婚については法律上全く問題ありません。なぜなら、世の中には「内縁」というものがあり、内縁は法的に保護されることになっているからです。

しかしながら、偽装結婚は許されません。結婚する意思のない結婚は、無効とされています。では、なぜ偽装結婚なんてするのでしょうか?

■偽装結婚の最も多い目的は?

偽装結婚の目的は、そのほとんどが外国人による、日本人の配偶者ビザ取得のためなのです。

外国人が何らかの形でビザの期限が切れようとしています。あるいは、そもそも不法入国者かも知れません。彼(彼女)らが続けて日本に滞在するための一番手っ取り早い手段が、日本人と結婚することなのです。

もちろん、結婚する相手の日本人も、偽装結婚と知りつつ加担する訳ですから、ただでという訳にはいきません。当然のように、戸籍の配偶者欄を金銭で売る訳です。そして、その外国人の日本にいる目的が達成されたときに離婚をするわけです。

■虚偽の報告だから罪が成立

偽装結婚は、虚偽の報告を役所に対してするわけですので、公正証書原本等不実記載罪(刑法157条1項)が成立します。

もし、結婚相手の外国人が不法入国だった、あるいは、既にオーバーステイだったということであれば、結婚に手を貸した日本人は、出入国管理及び難民認定法違反(いわゆる「入管法違反」)の共犯になります。私が過去に扱った案件でも、同じ案件がありました。まぁ、実刑にならずに済みましたけどね。

日本人同士の偽装結婚というのは、殆ど聞きません。もし金銭をちらつかされ偽装結婚を要求されても、れっきとした犯罪であることを肝に銘じて絶対にOKしないようにしましょう。

小野智彦
小野 智彦 おのともひこ

大本総合法律事務所

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