2014年2月3日に日本航空(JAL)は、同社の運営する「JALマイレージバンク(JMB)」の会員Webサイトへ不正ログインがあり、第三者が、マイルを保有するJMB会員になりすまし、マイルを特典に交換するというトラブルが多数発生していたことを発表しました。
JAL広報部の発表によれば、JMB会員からコールセンターに「身に覚えのない特典交換をされた」という問い合わせがあり、発覚したということです。
航空会社のマイルをはじめとした各種ポイントは現在私たちの生活に深く浸透しており、ほとんどの人がなんらかのポイントを貯めた経験があるのではないでしょうか。
何に使おうか楽しみにしながらせっかく貯めたマイルが、知らないうちに誰かに使われて無くなっていたなんて納得できませんよね。
今回は、このようなポイントをめぐるトラブルのうち、航空会社のマイル不正使用の問題について、解説したいと思います。
そもそも今回起きたようなWebサイトへの不正ログインによる他人のマイル利用は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律に抵触するものです。
同法11条は3年以下の懲役又は100万円以下の罰金という刑を規定しているので、犯人が分かれば同法による処罰の可能性があります。
■マイルの補償は受けられる?
では、被害者はマイル補償を受けることができるでしょうか。
ポイント制度は広く利用されていますが、ポイント制度に関して定める法律はありません。そのため、ポイント制度をどのような仕組みにするのかというのは、基本的にポイント制度を運営する会社が自由に定めることができます。
実際上は、約款という形で利用条件等を提示しておき、利用者が同意することによりポイント制度を利用することができるという形になっています。
調べてみたところ、JALにおいては不正利用等の場合については特に定めていないようですが「JALは会員の故意又は過失に起因して第三者により使用されたJMBのサービスに関しては、会員に生じた損害について一切の責任を負いません。」という規定はあるようです。
したがって、不正利用が知り合いにパスワード等を教えたことによって生じたものであるなどの場合は補償がされない可能性はあるといえます。今回のケースではどのような対処をされるかはわかりませんが、不正利用があった場合、顧客サービスという観点から補償を行うケースが多いようです。
■被害に遭った場合には
実際に被害に遭ってしまった場合には、まずは当該航空会社へ連絡し、被害に遭ったことを伝えるとともに、被害拡大を防止するためすぐにパスワード変更などの手続きをとってください。
また、不正アクセスは違法行為ですから、警察に通報してください。そのうえで、公式アナウンスなどでもチェックして、どのような場合が補償対象となるのか、逐次確認してください。