駐車場付近などで、段差を解消する「段差スロープ」が設置されていることがあります。文字通り段差のある部分を補うもので、自動車を安全に傷つけず走行するためものです。
当然便利なものであることから、ホームセンターやインターネットショッピングサイトでも販売されており、一定の人気を持っています。
段差スロープを道路に置くと違反?
そんな段差スロープですが、道路に置くと道路交通法違反になることを知っているでしょうか。常識のようにも思えますが、意外と知られていないようです。そこでなぜ段差スロープの道路設置が違反になるのか、銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に聞いてみました。
齋藤弁護士:「道路法第43条2号違反の恐れがあります。道路法では、1条において、
「この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とする」
と定めています。
道路の管理や構造、安全の確保などの見地から、交通を阻害させる恐れがある行為に関して取り締まることを明記しています。道路の安全管理に重点を置いていると読み取ることができますので、
43条2号「みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞(おそれ)のある行為をすること」
の読み方として、駐車スロープが道路の安全ですとか、管理などに支障をきたすと判断されてしまうと、交通に支障を及ぼす恐れがあると判断される危険があります」
段差スロープ以外に犯罪になるものは?
段差スロープを道路に設置することは、やはり犯罪ということなのでしょうか?また、段差スロープ以外にも道路に置くことで道路交通法違反になるような物はあるのでしょうか? 銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に聞くと…。
齋藤弁護士:「犯罪とまではいえません。これは行政法規といって、刑事罰を目的としている規定ではありません。万が一往来に危険が生じた場合には、過失犯が成立する可能性はあります。段差スロープ以外に違反になるものですが、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞(おそれ)のある行為という形で、広く網を定めていることからすると、たとえば実際にあった例では、漬物石を放置している事例、古くなった大型テレビを放置している事例がありえます。往来の危険につながる物理的なものかどうかの判断が必要になるでしょう」
道路の構造または交通に支障を及ぼすような物を置く行為は、道路交通法違反となります。覚えておきましょう。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律経済事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)