2000年に施行されたストーカー規制法。男女問わず相手へのつきまとい行為は犯罪となります。それは皆わかっているのでしょうが、好きな気持ちが高まり、ストーカーになってしまうようです。
する人間の気持ちはよくわかりませんが、される側としては許せない行為。頭を悩ませている人もいるのではないでしょうか?
一風変わったストーカー
先日ネット上で妹がストーカーを受けているという人の「被害報告」が話題になりました。それは郵便受けに入っていた電気やガスの請求書明細を勝手に持ち帰り、払ってしまうという行為。気持ち悪がる声もありますが、被害者は味をしめてそのままにしているそうです。
ただし住民税の支払いだけは、スルーしています。なんとも薄気味悪いこの行為。ストーカー規制法に抵触しないのでしょうか? 銀座さいとう法律経済事務所の齋藤健博弁護士に話を伺いました
齋藤弁護士:「ストーカー規制法上のつきまとい、には該当しない可能性がありますが、刑法犯としての窃盗罪・占有離脱物横領罪・建造物侵入若しくは住居侵入罪に該当する、民事上の不法行為責任を負うことが考えられます。プライバシー権の侵害は成立している以上、損害賠償義務を負います。窃盗罪は、基本的に財産的価値を有する有体物の占有状態を、占有者の意思に反して持ち去ることを言います。本件では、支払い義務があることをのがすと、不利益が顕在化する紙片を、持ち去っています。
窃盗罪の客体としては十分であると考えられるのです。権利義務に関して記載がされている紙片である以上、重要な紙片ですから、重要な情報が化体されている紙ともみれますからね。窃盗罪の成立が最も現実的なおとしどころだと思われます」
ストーカー規制法の概要を把握しよう
ストーカー規制法の目的は「ストーカー行為を処罰するなどストーカー行為について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資すること」が目的です。
さらにストーカー規制法とは以下に示す「つきまとい等」を繰り返すストーカー行為者に警告を与えたり、悪質な場合は逮捕することで被害を受けている方を守る法律」とされています。そして「つきまとい」行為は、
あなたを尾行し、つきまとう。
あなたの行動先(通勤途中、外出先等)で待ち伏せする。
あなたの進路に立ちふさがる。
あなたの自宅や職場、学校等の付近で見張りをする。
あなたの自宅や職場、学校等に押し掛ける。
あなたの自宅や職場、学校等の付近をみだりにうろつく。
などの行為が該当します。この他にもストーカー規制法には「ストーカー」と認定される行為が記載されています。被害に遭っている人は、相手の行為がストーカー規制法に該当していないか、確認してみましょう。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律経済事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)