約2億円横領しキャバクラに注ぎ込んだ男 罪の重さや抑止方法を弁護士が解説

11月7日、都内の電気設備工事などを手掛ける会社に勤務していた元社員(49)が、会社の口座から金を不正に自分の口座に入金していたとして業務上横領の疑いで逮捕されました。

その金額は総額2億5000万円にも上り、大半をキャバクラに使っていたと見られています。なお男は2017年に解雇されているそうです。

 

不正入金を繰り返す

警察によると、元社員は経理の責任者を任されており、インターネットバンキングを不正に利用。2013年から17年にかけてIDやパスワードを全て管理し、自分の口座に入金していました。

不正に入金していた金の大半は、キャバクラに使用。事件を聞いたネットユーザーからは「他人の金で豪遊するのはさぞかし楽しかっただろう」「自分が勤務している会社で発生したら殴ってやる」など、怒りの声が相次ぎます。

また、長年横領に気が付かなかった会社についても「どういう会社なのか」「管理体制に問題がありすぎる」と批判が上がりました。4年間で2億円近い金を横領されていたわけですから、批判されてしまうのは致し方ないように思えてしまいますね。

 

罪の重さは?

横領を繰り返し、キャバクラに注ぎ込んでいたという男。刑罰などは、どのようになるものと見られるのでしょうか? 法律事務所あすかの冨本和男弁護士に質問してみました。

冨本弁護士:「業務上横領の法定刑は「10年以下の懲役」ですが、多額ですので5年位の実刑判決になるのではと思います」

実刑は免れない情勢で、5年程度になる可能性が高いようです。少々軽いようにも思えてしまうのですが、これが現実ということでしょうか。

 

罪の重さは金額に比例する?

会社などの他人の金を自分のものにしてしまう横領は、多々発生しているようですが、罪の重さは金額に比例するものなのでしょうか?

冨本弁護士:「横領は、人の財産を侵害する罪ですので、当然被害金額によって罪の重さが変わってきます」

金額が増えれば増えるほど、罪は重くなるようですね。今回にように2億ともなれば、当然重い罪になるのですね。

 

会社が横領を抑止する方法は?

今回の事件については、会社側が横領を放置していたことも批判されています。企業として、横領を防止する方法はないのでしょうか? 法律事務所あすかの冨本和男弁護士に質問してみました。

冨本弁護士:「現金・預金の入出金の確認をマメにすることはもちろんですが、預金については、通帳・銀行印・キャッシュカード・契約者番号・暗証番号をそれぞれ別々の人に管理させて単独で出金できないようにすることも考えられます」

 

しっかりとした対策を

横領をしないことは当然のことですが、そのような犯罪を企てる人物が全くいないわけではありません。企業として横領を許すような会社が信用を失うことは言うまでもないでしょう。

性善説を採用せず、しっかりと対策を立てておくことが、犯罪抑止に繋がります。

 

*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

法律事務所あすか

東京都千代田区霞が関3‐3‐1 尚友会館4階

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