50代男性のTさんは、20代妻の浪費癖に飽き飽きしています。元々歳が離れていただけに、プレゼント攻撃や経済力を武器に交際にこぎつけ結婚したのですが、やはりと言うべきか、彼女は財産に惚れただけ。
ガッチリと家計を握ると、自分には僅かな小遣いしか与えず、自身は月収をブランド品や宝石につぎ込み、この世の春を謳歌しています。
嫌気が差したTさんは離婚を考えていますが、甘い汁を吸う生活を妻がむざむざと捨てるわけはありません。なんとか離婚する方法はないのでしょうか?
高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。
離婚は認められる?
理崎弁護士:「離婚が認められるためには、法律上「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当しなければなりません。本件でも、妻の浪費によって、婚姻関係を継続していくことができないような場合には、夫からの離婚請求は認められます。
この点、妻は月収をほぼ使い切ってしまうほどブランド品を購入しているとのことですので、婚姻生活を送っていくために必要な生活費も残っていないということですと、婚姻を継続し難い重大な事由があると言えそうです」
控えるように要請する必要性あり
理崎弁護士:「ただし、離婚請求をする前に、まずは、夫は妻に対して、上記のようなお金の使い方は控えるよう要請するべきでしょう。
夫から何度も要請しているのにもかかわらず、その後も妻の浪費が全く改善されないような場合に初めて婚姻を継続し難い重大な事由が認められ、夫からの離婚請求が認められるものと考えます。
妻の浪費を理由に離婚したいと考えている場合には妻の浪費行為についてその都度注意していたことを記録しておくことが肝要と考えます」
我慢する必要はなし
若妻の本心を見抜けなかった夫にも落ち度はあるのでしょうが、やりたい放題に我慢する必要はありません。離婚へと踏み出しましょう。
*取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)