ベンチャーIT企業に勤務するBさんは、会社のルーズな業務体制に憤りを覚えています。会社から携帯電話を支給されており、就業時間外や休日でも「かかってきたら出て対応しろ」と命令されているとのこと。
場合によっては自宅のパソコンで作業を強いられることもあるのですが、これは勤務時間としてみなされず、一切賃金に反映されていません。社長に不当性を訴えましたが、「なら辞めてもらう」と告げられ、怒り心頭なのだそうです。
時間外労働に苦しめられている人は多い
Aさんに限らず、携帯電話の普及で、休日でも連絡を取ることを強いられている人はかなり多いと聞きます。リモートワークについても、遠隔操作ソフトなどが出回り、自宅から会社や客先のパソコンを操作し、作業をすることがあるようです。
労働者としてはきちんと賃金を払ってもらいたいものですが、「無賃金は当然のこと」と思っている経営者もいる様子。このような行為は違法となり得ないのでしょうか?銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。
時間外の無賃労働強要は違法になる?
齋藤弁護士:「違法になり得ます。労働者であることが認められると労働契約法・労働基準法の規律が及びます。そうすると、例えば雇用保険・健康保険・労災・厚生年金を受ける、有給休暇を取る、残業代請求をする、解雇などの局面では、濫用的なものは違法行為となり得るなど、さまざまな対抗策が考えられます。」
違法になる可能性は、十分にあるようです。
違法性を主張するにはどうしたらいい?
自分が休日に無賃金での仕事を強いられている場合、どのようにして違法性を主張していけばいいのでしょうか?銀座さいとう法律事務所の齋藤健博弁護士にお伺いすると…
齋藤弁護士:「違法性を指摘するには、例えば会社とのやり取りを可視化できるようにしておくことが何より大切です。メールの記録を残しておくですとか、日々の業務内容をしっかり把握できるようにしておくなど、記録を残していくのが肝要です。」
Aさんのように時間外の無賃労働に苦しめられている場合は記録を残し、最終的に出るところに出ましょう。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けていま