会社員のSさんは、同僚の女性から「セクハラ行為をした」と訴えられたそう。しかし本人は身に覚えがなく、困惑しています。
さらに女性は会社に「Sさんから毎日のようにセクハラされて仕事にならない」と訴え、それを受けた会社側は弁明の機会も与えず減給処分を通告してきたそうです。
Sさんは「濡れ衣だ」と主張していますが、男性の意見は聞き入れられにくいこともあり、覆せずにいます。どのようにして無実を訴えれば良いのでしょうか?
Q.会社から身に覚えがないセクハラを指摘され減給処分を受けた…無実を証明するにはどうしたらいい?
A.会社に処分取り消し請求を行いましょう
実際にセクハラ行為をしていないにもかかわらず、懲戒処分を受けた場合、会社に取り消しを求めていくことになります。セクハラは基本的に加害者と被害者の問題であり、それによって風紀が乱れた、業務に支障が出たなど、会社が被害を受けた場合のみ、処分することができます。
会社が懲戒処分を行う前には中立者の意見を聞く、加害者に弁明の機会を与えるなど、公正な手続きを踏むことが必要となります。これが行われていない場合は、処分が無効となることもあります。
Sさんの場合、弁明を機会を与えられていないとのことですので、処分が無効になる可能性が高いといえます。まずは懲戒処分の取り消しを会社に求めていくことになります。
中小企業などでは社長の裁量1つで懲戒処分が下ることも少なくないと聞きます。取り合えってもらえない場合は、弁護士への相談をおすすめします。
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
*監修:センチュリー法律事務所 佐藤 宏和(東京弁護士会所属。米国公認会計士(未登録)の資格所持。不当解雇や残業代請求などの労働問題を得意とする。業務内容や社内の力関係を理解し、膨大な事実の中から法律上意味のある事実を見つけ出し、事件をスピード解決へと導くことに重きを置いています。)