前回、解雇の基本について解説しましたが、今回は、突然解雇されたらすべきことについてご説明いたします。
(前回の記事を読んでいない方はこちらからどうぞ 「ミスが多いから解雇」は合法?知っておきたい解雇の種類と有効性について)
■1.会社を辞める意思はないことをはっきり伝える
突然「明日から来なくていい」などと言われてしまった場合、まずは、会社を辞める意思はないことをはっきり伝えましょう。
内心では、辞職しようかどうか迷っていたとしても、会社に対しては、「現時点では辞めるつもりはない」としっかり伝えることが必要です。
■2.「明日から来なくていい」の意味を確認する
先日解雇の基本については解説したとおり、労働者と会社の労働契約が終了するには、(1)解雇、(2)辞職、(3)合意退職があり、また、「解雇」にも、(1)懲戒解雇、(2)普通解雇、(3)整理解雇があります。
(詳細は、冒頭でもご紹介している前回の記事に書いておりますので、気になる方はご覧ください。)
会社の言う「明日から来なくていい」が、上記のうちどれにあたるのかで、今後の取るべき方針が変わってきます。「明日から来なくていい」の意味を確認しましょう。
■3.「明日から来なくていい」の具体的な理由を確認する
「明日から来なくていい」と言われてしまった具体的な理由は何なのか(例えば、遅刻や欠勤が多い、ミスが多い等)を確認しましょう。
解雇(懲戒解雇、普通解雇、両方含みます。)の場合、労働基準法上、会社は、労働者の請求を受けたら、解雇の理由を示した書面を労働者に交付しなければなりません。解雇の場合には、会社にこの解雇理由を書いた書面を請求しましょう。
■4.証拠になりそうなものを集める
会社に入れてもらえなくなってしまう前に、解雇理由に関する証拠、就業規則やタイムカード(残業代未払いがある場合等)等、証拠になりそうなものを集めておきましょう。
■5.退職を前提とした行動をとらない
退職金を請求する等、退職を前提とした行動をとらないようにしましょう。
また、「明日から来なくていい」と言われても、1度は出勤することが重要です。
解雇された場合、労働者の方だけで会社と戦うのは難しいです。速やかに弁護士に相談することをお勧めします。
*著者:弁護士 小澤亜季子(センチュリー法律事務所。「依頼者のお気持ちに寄り添い傾聴すること、なるべく早く具体的な解決策を提案すること、そのための費用がいくらかかるのかを明確にすることを心がけております」)
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