会社員のみなさんの多くは、各種社会保険完備のされた企業に勤めていることだろうと思います。しかし、一部には費用を懸念して加入を渋る会社もあるそうです。
2014年に厚生労働省が発表した調査結果によると、約80万社が「社会保険未加入」であることがわかっています。国は未加入企業を特定し加入するよう指導するとしていましたが、それでも未加入を続ける企業が存在しているようです。
このような企業は違法であるようにも思えるのですが、実際のところどうなのしょうか。ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解をお伺いしました。
Q.会社が社会保険に入ろうとしない……これは違法ではありませんか?
A.違法です。
「法人の場合は例外なく社会保険への加入義務があり、個人事業でも一定の条件では同じく加入義務があります。未加入の場合は違法であり、罰則(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)もあり、追徴金(社会保険料2年分遡る)も課せられます。延滞金も同様です」(森川弁護士)
やはり法的には違法で、懲役に加え罰金・追徴金・延滞金などの金銭を支払う義務が発生するようです。
しかし、わかっていても「職を失う怖さ」から黙っている人が多く、経営者に物申せず我慢を強いられているケースがほとんどであると思われます。
そのような場合は、社員が団結し勇気を持って訴えることが必要になります。不安な場合は弁護士の力を借りましょう。
*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*dorry / PIXTA(ピクスタ)
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