「ある企業でソフトウェアの不正インストールが行われていた」という報道をしばしば目にすることがあります。このような報道の件数自体は、それほど多くはありません。しかし、実際にはかなりの数の企業が不正インストールに関する通知を受けています。
しかも、不正インストールの通知を受けた企業のほとんどが下記のように考えているようです。
・社内で不正インストールが行われているとは知らなかった
・適法なインストールを行っていると思っていた
あえて不正な行為をしようと考えていたケースは、実は多くはないのです。しかし、これは裏を返せば、“どの企業も不正インストールの通知を受ける可能性がある”ということを意味します。そこで今回は、決して他人事ではない不正インストールの通知について解説いたします。
■通知はある日突然に…
不正インストールの通知は、何の前触れもなく到達します。
そのような通知は、たいていBSAやACCSなどの著作権保護団体の代理人弁護士名義で送付されます。(もちろん、ソフトウェア企業から送付されるケースもあります。)
全く身に覚えのないケースでは、いたずらと勘違いすることもありますが、法的な請求を放置すると取り返しのつかないことになることもありますから、これが届いたときの対応は慎重に行いましょう。
■きっかけはほとんどが内部通報
各ソフトウェア企業も不正インストールの防止・発見に力を入れていますが、法的な通知がなされるケースでは、ほとんどが“内部通報”をきっかけとしています。
そして、当然ですが、通報の秘密は固く守られています。通知を送ってきた側が、誰が通報したのか、どのような内容の通報であったのかを教えてくれることはありません。
それに加え、BSAなどの著作権保護団体は、通報に対して“報奨金”を出していることもあります。つまり、通報のハードルは高くないのです。
そのため、少しでも不正の疑いのあるインストールがなされると、簡単に通報から法的通知に発展してしまうことがあるのです。
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