催眠術をかけられて犯罪を犯した場合、罪に問われてしまう?

テレビなどで芸能人が催眠術にかかり、不思議な言動をとるなどの光景を見たことがあるかもしれません。

辞書によると催眠とは、「薬や暗示などにより人為的に眠けを催させたり睡眠に似た状態にすること。」と書かれています。

一般的に使われる催眠状態とは、眠けではなく、自分をコントロールできなくなる状態が近いように思います。

もしこのような催眠状態となっている時に犯罪を犯してしまった場合、法律ではどう扱われるのでしょうか。また、催眠術をかけた側に違法性はあるのでしょうか。今回は5つのケースを想定して解説していきます。

おじいさん、おじさんMM4 / PIXTA(ピクスタ)

■責任能力否定はありうる

精神の障害により事物の理非善悪を弁識する能力又はその弁識に従って行動する能力のない心神喪失の状態で犯罪の構成要件に該当する行為を行った場合、責任能力が否定され、犯罪は成立しません。

この「事物の理非善悪を弁識する能力又はその弁識に従って行動する能力」には、具体的な限定はないので、たとえ催眠術であっても、真実、完全に他人のコントロール下となるようなことが医学的に可能なのであれば、責任能力が否定される余地はありえます。

ただし、医学的に催眠術によって完全な心神喪失になっていたことが立証できた場合であっても、例外的に、犯罪が成立するケースはあります。

以下、場合分けしてご説明します。

星野宏明
星野 宏明 ほしのひろあき

星野・長塚・木川法律事務所

東京都港区西新橋1‐21‐8 弁護士ビル303

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