「もし、自分の子どもが学校でいじめにあっていたら……。」あなたなら、どうしますか?
「まさかうちの子に限って」と思われるかもしれませんが、いじめは深刻な社会問題です。起こってはいけないことではありますが、対応が遅れるとお子さんが自殺してしまうということも……。
そういった事態は何としても避けなければいけません。では、どういった対策をとれば有効か、考えてみたいと思います。
●まずはお子さんを励ますこと
お子さんがいじめられていることが分かった場合、まず一番にすべきことは、お子さんを安心させてあげることだと思います。
おそらく、そういったお子さんは、不安な日々を送り、自分なりに思い悩み、苦しい気持ちになっていることでしょう。ですので、そういった不安感などを取り除いてあげる必要があると思います。
「お父さん、お母さんが必ずあなたを守るから大丈夫」ということを分からせてあげるとよいでしょう。
●起きている事実をしっかりと聴取・記録化すること
ご両親の立場として、学校で起きていることを実際に見聞きすることは出来ません。そこは、お子さんの話を良く聞き、「何が起きているのか」ということを正確に把握しなければいけません。
そういった状態で難しいこととは思いますが、過不足なく、大袈裟にも受け取ることなく、客観的に起きた事実を中心に聞き取るようにすると良いと思います。
そして、聞き取った内容は、必ず文書等で記録します。その際には、「いつ、どこで、誰に、どういうこと」という内容を出来るだけ詳しく具体的に記録するようにしてください。時系列順にまとめると、見やすいと思います。
●学校等への連絡
次のステップとして、起きている事実を学校に伝えましょう。まずは担任の先生と相談します。担任が頼りなければ校長先生と直接会って話をする機会を作ってもらいましょう。
「いじめ防止対策推進法」が施行され、学校側も対応に難色を示すということはおそらくは無いことと思われます。起こっている事態にもよるとは思いますが、事実を伝えた上で、学校側にどういった対応を望むかを明示すべきであると思います。
基本的には、いじめの実態調査、加害児童への注意・指導、加害児童の保護者等への連絡、再発防止に向けた具体的な対策等が考えられます。
万が一、学校側が対応しない場合は教育委員会に、それでもダメなら市長など上級機関に話を持っていくことを検討しなければいけません。
話し合いの際には、ICレコーダー等を持ちこみ、録音するようにしてください。あとあと、「言った、言わない」という論争を避けるためです。あと、感覚的なことではありますが、被害者側の真剣さを伝えるためにも、ご両親が行ける場合は一緒に話をしに行くということも大事なことだと思います。
●警察へ被害届等を提出する
いじめの内容にもよりますが、例えば暴力を振るわれているという事態であれば、暴行罪や傷害罪で警察に被害申告することも必要です。お子さんがいじめを受けて怪我をして帰ってきたという場合は、写真を撮るなどして証拠の保全をしましょう。
病院へ連れて行って医師による診察受け、診断書を作成してもらうことも一つの方法です。
●最後に
大津市で起きた、いじめ自殺事件から今年で早4年が経過しようとしています。あのような悲劇が二度と起こらないよう、万一の場合はご両親としても出来る限りのことが出来るように心がけてください。
我々弁護士もお力になれることがあると思いますので、何なりとご相談ください。
*著者:弁護士 河野晃 (水田法律相談所。兵庫県姫路市にて活動しております。弁護士生活5年目を迎えた若手(のつもり)弁護士です。弁護士というと敷居が高いと思われがちな職種ですが、お気軽にご相談していただけるような存在になりたいと思っています)
*しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)