男性であれば一度は目にしたことがある18歳未満閲覧禁止のアダルトサイト、俗にいう「18禁」。
18歳未満は見てはいけないということなのですが、仮に18歳未満が閲覧してそれが発覚した場合、犯罪になってしまうのでしょうか。
また、アダルトサイトの入り口で「あなたは18歳以上ですか?」という質問があり、「18歳以上です」をクリックすると閲覧できるようなシステムの場合、18歳未満なのにそれを偽って18歳以上というところをクリックして閲覧した場合、何らかの犯罪になってしまうのでしょうか。
結論を申し上げると、いずれも犯罪にはなりません。それはなぜでしょうか?
●そもそも法律で年齢制限がない
そもそもアダルトサイトの閲覧には、飲酒や喫煙と異なり、法律上年齢制限はありません。ですので、18歳未満が閲覧したとしても法律上は全く問題ありません。
ただ、サイトの運営側が、「18歳未満には閲覧させていませんよ」ということをアピールするために、自主規制として18歳未満閲覧禁止と言っているだけです。ですので、18歳未満の人が18歳未満閲覧禁止のアダルトサイトを見ても法律上は犯罪にはなりません。
●有料のサイトに登録してしまったらどうなる?
ただし、有料のサイトの場合、未成年(これは18歳未満ではなく20歳未満)であるにもかかわらず成年であると偽って閲覧し、課金された場合は、その料金の支払義務は発生する可能性が高いと思われます。
民法上、未成年者がサイトに申し込んだ場合は、その申し込みを取り消すことができると規定されています。
ですので、仮に故意でも過失でも未成年者が有料サイトに申し込んでしまった場合は取り消すことができます。ですので、閲覧の料金の支払いを免れることができる可能性が高いでしょう。
しかしながら、20歳以上であるとだまして申し込みをした人まで救う必要性はありませんので、20歳以上であると偽ってサイトに申し込みをした場合には、支払義務を免れることはできなくなります。
サイトの運営者もそのことは分かっていますから、申し込みの際には必ず「あなたは20歳以上ですか?」という質問があり、それに答えないと閲覧できない仕組みを取っているようです。
●数十万円を支払ったケースも
過去には、未成年者が成年と偽って閲覧したサイトの料金数十万円を請求され、泣く泣く親が支払ったなどという事案もあるようですのでお気を付けください。
男性であれば非常に興味がある18禁サイトですが、法律上は問題ないとしても、閲覧しすぎは様々な影響を及ぼします。やはり何事にも「ほどほど」が一番よろしいのではないでしょうか。
*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)
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