裁判で負けてしまった時、負担する訴訟費用は大体これくらい

裁判

生きているうちで訴訟費用を気にするということは殆どの人にとってないかもしれません。

しかし、どんなに平和に暮らしていてもトラブルに巻き込まれてしまういうことはあります。そして、その様な事件に巻き込まれた際には、裁判や費用について知らない事がほとんどです。

多く方にとっては関係ない話かもしれませんが、頭の隅っこに訴訟費用について入れておいた方がいつか役に立つかもしれません。

今回はそんな訴訟費用がどれくらいかかるのかについて紹介したいと思います。

 

■訴訟費用とは?

訴訟費用とは、訴訟について裁判所や紛争の当事者が支出した費用のうちで、民事訴訟費用等に関する法律で、これが民事訴訟等の費用ですと認められているものをいいます。

訴訟費用については、原則として、敗訴者負担となります。

そうはいっても、訴訟の結果が出るまでの間にも訴訟費用は必要となり出さなければ裁判を進めてもらえませんので、それまではいったん当事者の一方が支払い、訴訟の結果が出た後に負けた者から取り立てることになります。

 

■訴訟費用に含まれるもの

訴訟費用には、大きく分けて(1)裁判所の行為に必要な裁判費用と(2)当事者の行為に必要な当事者費用があります。

裁判所の行為に必要な裁判費用としては、裁判所の審理・判断(判決・決定・命令・審判)といった行為についての手数料、書類の送達費用、公告に必要な費用、証拠調べに必要な費用等が含まれます。

裁判所の審理・判断といった行為についての手数料は訴訟金額によって異なりますが、例えば500万円の訴訟提起をする場合、3万円の収入印紙を購入して訴状に貼り付ける必要があります。1億を超えるの訴訟では印紙代だけでも32万以上となり、高額になります。

書類の送達費用ですが、東京地方裁判所で原告人1名・被告人1名の訴訟を起こす場合、とりあえず6,000円分の郵券か現金を裁判所に予納する必要があります。

証人の日当については、1日当たり8,200円以内で裁判所が定める額になります。

当事者の行為に必要な当事者費用としては、書類の作成にかかった費用、当事者の旅費・日当・宿泊料等が含まれます。

当事者の日当については証人の日当と同様に算定されます。

なお、弁護士費用は訴訟費用に含まれません。訴訟は本人でも起こすことができ、訴訟するのに必ずしも弁護士を立てる必要がないからです。とはいえ、弁護士を雇うことが多いのも事実で、その場合には法律相談料や着手金、報酬金といった弁護士報酬を支払うことが一般的です。

 

■弁護士費用について

以上のように弁護士費用は訴訟費用に含まれないわけですが、医療過誤訴訟や建築関係訴訟や交通事故訴訟等の普通の人では扱いきれない訴訟の場合、弁護士費用も損害として請求することによって一部認められることがあります。

また、弁護士費用について、平成16年4月1日にそれまで弁護士費用の目安とされていた旧日本弁護士連合会報酬等基準が廃止されましたので、依頼する弁護士によって弁護士費用が大きく変わることがあります。

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*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

冨本和男
冨本 和男 とみもとかずお

法律事務所あすか

東京都千代田区霞が関3‐3‐1 尚友会館4階

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