兵庫県で行われた「ご当地博」に偽ふなっしーが現れた。
当初、ふなっしーのフリをして振る舞っていたが、途中で不審に思った警察官が「偽ふなっしー」を取り押さえたという。本物のふなっしーは予定が合わず出演を辞退していた。
客の多くは本物だと思っていたという今回の事件だが、ふなっしーのフリをしてイベントに出演したというこの行為は犯罪なのだろうか?
■キャラクターの著作はどうなっている?
ふなっしーのキャラクターを模したかぶり物を着ていたそうで、警察に押さえられたそのかぶり物を着ていた男性は、「母親のススメで、自分の子どもを喜ばせるため」と供述しているそうだ。
ふなっしーは、船橋市の非公認キャラクターであり、一般的にキャラクターそのものに著作権は認められず、その原画に著作権があると言われている。
従って、その原画を模して今回のふなっしーのかぶり物を作ったのであれば、それは立派な著作権侵害であり、民事、刑事ともに責任を負う可能性が出てくる。
ただし、今回の場合は、「子どもを喜ばせるため」であり、それで商売をしようということではなかったので、実際の責任追及はないだろう。
■ひこにゃん事件
ゆるきゃらの著作権問題は、有名どころでは「ひこにゃん事件」というのがある。
キャラクターの原画を考えた方が彦根市の某委員会に著作権を譲渡したものの、某委員会が原画の内容にないぬいぐるみやグッズを売り始めたため、原画の作者が同一性保持権の侵害で裁判に至ったというのである(既に和解成立)。
ふなっしーの著作権がどのように管理されているのか、どのような契約内容になっているのか、気になるところではある。
*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。浜松市出身。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。)