【実録|弁護士は見た!】住む家を指示され毎月の給料を全額搾取されていた被害者

「強面の人物から長期間にわたって恐喝を受けており困っている」

というご相談を受け、介入した事案がございました。

具体的にお話をお伺いすると、「相手方の用意した家に住むよう指示され(他にも何名か同じように指示された被害者がおりました)、毎月の給料の全額を取られている」という悪質な事案でした。

相手方の管理はかなり執拗で、朝から晩まで所在の連絡をさせ、時には暴力をふるい、ご依頼者様の自由を奪っておりました。

暴力団関係者との繋がりを示唆しており、ご依頼者様のご実家を含めた親族の連絡先なども押さえられていたことから、「怖くて警察にも相談できない」という状態でした。

弊所でご依頼を受けた後は、速やかに相手方の用意した家から退去すべく、早朝に当該住居を訪問し、必要最小限の荷物を運び出しました。

相手方の関係者から若干の妨害行為はあったものの、無事退去を完了させ、当該関係者に対して書面で当職が代理人になった旨を通知し、その場を引き上げました。

その後、相手方からの連絡はなく、ご依頼者様は新しい住所地で新たな生活をスタートすることができるようになりました。

他方、恐喝をした金銭の返金を要求し続けましたが、相手方は無視を続け、相談した警察も「証拠が十分でない」との理由から事件化にならず、目的を全て達成したとは言えないところではありますが、最低限、身の安全と、搾取されていた生活からの解放を実現いたしました。

家に押し込められて賃金等を搾取され続けるというケースは、全体の数から見れば少ないのですが、ないわけではありません。

このような悪質な事案では、被害額が多額にのぼるほか、心身を害するという結果を招きかねません。

ある種マインドコントロールを受けたような状態で「逃げられない」という観念から警察や弁護士への連絡が遅れることがあります。

ご本人から連絡をいただくのがベストではありますが、ご家族や友人・知人、職場の方などで様子のおかしい方がいらっしゃいましたら、どんな小さなことでも構いませんので、お気軽に弁護士や警察にご相談いただくのが良いかと思います。

 

*執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)

*画像はイメージです(pixta)

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