猫100匹殺し犯人は不起訴濃厚?なぜなのかを弁護士が解説

富山県で、50代の男性が飼い猫などを盗み、虐待を加えたうえ殺した挙げ句、投げ捨てるという信じ難い事件が発生。

男の携帯電話には「猫を殴る」「猫を蹴る」などと検索履歴が発見されており、そのような扱いをしていたようです。

男は「50匹から100匹程度殺した」「せっかく苦労して捕まえたのに、すぐ死んでしまったら面白くないから、水しか与えず、ニャンニャン鳴くのを聞いて楽しんだ」と話しており、その鬼畜すぎる性格に怒りの声が殺到。

もちろん、逮捕され、動機については「1人暮らしのストレスから気晴らしにやった」と答えています。

重罪が望まれているが…

動物をなぶり殺すことで自己のストレスを解消するという許しがたい事件に、ネット上では

「重罪にしてもらいたい」
「100匹は異常。死刑でもいいくらい」

という声が上がっています。

多数の猫の命を身勝手な理由で奪ったとなれば、重罪を望むのは当然です。

しかし、一部の法律に詳しい人々からは「不起訴になるのでは」という声があります。

猫に対し殴る、蹴るなどしたほか、熱湯をかける、ゲージに入れて金属の棒で叩くなどしていたと言われる容疑者の男。

許せない気持ちは皆一緒のはずですが…。

本当にこの犯人は不起訴濃厚なのでしょうか?

銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士に聞いてみました。

 

本当に不起訴が濃厚なの?

齋藤弁護士:「不起訴の可能性が大きいでしょう。

実は猫は、人間と同様の扱いがされていないのが法律のルールです。

法律上は猫はモノと同じように扱われてしまいます。

私も猫も犬も飼っていましたので、それは再検討の余地がある、問題のある考え方とは思います。

ただ、現行法上は器物損壊罪にしか問えず、器物損壊罪は親告罪と言って、その所有者が罰してほしいという意思を明確にしないといけないのです。

これが、どこで飼われている猫か、所有者が明確でないケースが多いのです。

私も、猫を飼っていましたので、気持ちはよくわかっています。

改善策としては、猫の所有者、飼っている人を明確にしておくと、親告罪である現行法下では、現実に罪に問える可能性が高まるでしょう」

 

今後の厳罰化を望みたい

弁護士も違和感を持つルールですが、現状は器物損壊罪にしか問えないため、富山の猫殺し犯人も所有者が明確でない猫を殺している場合、不起訴、となる可能性が高いようです。

もちろん、犬や猫などペットを虐待し殺して良いわけがありませんし、100匹の猫を自己満足のために殺す行為は許せないもの。

今後の厳罰化を望みたいものです。

 

*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

齋藤健博 さいとうたけひろ

銀座さいとう法律事務所

東京都 中央区銀座2-4-1 銀楽ビルディング503E

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