携帯電話など、料金の支払いを一定期間延滞すると、「債権回収会社に未払金の取り立てを依頼します」などと通知が来ることがあります。
「債権回収会社」と聞くと、強引かつ人権を無視するような反社会勢力的な会社ではないかと考える人も多いはず。
殆どの人は縁がないかもしれませんが、何らかの事情で支払いが困難になることがないとも限りません。債権回収会社について、詳細を知っておいて損はないでしょう。
そもそもこの勢力は適法な存在なのか? そしてどのような方法で取り立てをするのかも気になります。
法律事務所あすかの冨本和男弁護士に質問してみました。
債権回収会社は適法な存在なの?
冨本弁護士:「法務大臣の許可を受けた株式会社であれば適法な存在だと考えられます。
債権回収会社は、金融機関等からの委託を受けたり、金銭債権を譲り受けたりして、金銭債権の管理回収を行う、民間の債権管理回収専門業者です。
かって弁護士以外の者がこうした金銭債権の管理回収を行うことは弁護士法により禁止されていました。
しかし、不良債権の処理等を促進するため「債権管理回収業に関する特別措置法」という法律ができ、法務大臣の許可を受ける必要があるものの、こうした債権の管理回収を行う民間会社の設立が認められるようになりました。
法務大臣の許可を得るためには、
・資本金5億円以上の株式会社であること
・取締役の1名以上に弁護士を入れること
・暴力団員等が参入しないような仕組みになっていること
といった条件を充たしている必要があります。
したがって、法務大臣の許可を受けた債権回収会社であれば適法な存在だと考えられます」
どうやって回収するの?
冨本弁護士:「債権回収会社は、金融機関等が有する貸付債権や、リース会社・クレジット会社が有するリース債権・クレジット債権について、委託を受けたり、債権を譲り受けたりして、債務者から回収することができます。
しかし、どういった回収方法でも許されるわけではなく、「債権管理回収業に関する特別措置法」によって、
・「人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない」
・「暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用してはならない。」
といったルールも定められ、違反すれば処罰されますし、業務停止を命じられたり、許可を取り消される場合もあります。
違法と感じる取り立てを受けた場合は?
冨本弁護士:「弁護士や警察に相談しましょう。
弁護士を立てた場合、債権回収会社が債務者に直接取り立てを行うことは禁止されています」
債権回収会社がどういうものかお分かり頂けたでしょうか。
支払いを延滞しないことが望ましいのは間違いなく、法務大臣の許可を受けた債権回収会社が適法である以上、従わねばならない部分もあるようです。
ただし、犯罪まがいの取り立てについては、当然違法性を主張することもできます。
その場合は債務回収に精通した弁護士への相談をおすすめします。
*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)