昨今芸能人の結婚が話題となりますが、大物同士だけではなく、一般人と結婚するケースも多々あります。
ゴシップ雑誌や新聞社などは、そんな一般人の生活圏を嗅ぎ回ることも。
通常一般人と結婚した場合、メディアは配慮するものですが、なかには嗅ぎ回ったうえで、実は芸能人を狙って交際しまくっていた「プロ彼女」だった」などと報じられたケースもあります。
プライバシーを侵害するような報道も
「プロ彼女」が本当に存在するか否かは不明ですが、揶揄されたほうはいい気分はしないでしょう。
また生活圏を嗅ぎ回っているとなれば、プライバシーを侵害されているかのような印象を受けます。それは配偶者である芸能人も同様です。
しかしメディアは「報道の自由」「表現の自由」を盾に、一般人であっても「芸能人と家族である」という理由で、突撃取材のうえ、紙面や画面に登場させることがあります。
芸能人の配偶者である一般人を取材し、記事に載せるという行為に、法的な問題はないのでしょうか?
銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士にうかがいました!
弁護士の見解は?
齋藤弁護士:「これらは、実は憲法、民法、場合によっては刑法をまたぐ極めて重要な問題であると、法律上も考えられています。といいますのは、まず憲法の世界では、報道の自由は最高裁判所もその重要性を承認する、憲法上の権利なのです。
しかし、メディアは当然強大な影響力を有しているわけですから、私人のプライバシーを侵害してしまう危険があることも事実です。
そのぶつかりあいが生じた場合には、どちらが優先するとは定められていません。たとえば、不法行為といって民法上の慰謝料請求ですとか、謝罪広告ですとか、そのような措置を検討することもあれば、その内容が名誉棄損に至るような内容であれば名誉棄損罪の成立を検討したりと、1件1件の内容に応じています。
一般人の配偶者であれば、公人というより私人に近いでしょう。
そう考えていくと、芸能人の配偶者であるからと言って執拗においかけるなどの行為は是認される可能性は低く、プライバシー権の優先可能性は高いとみるべきでしょう」
自分が標的になることもある
メディアの報道姿勢については昭和の時代から批判がありましたが、インターネットの普及でそれが表に出るようになり、人々の目は厳しくなっています。
そんなメディアは現在もプライバシー無視と思える報道を続けており、批判を浴びています。もちろんこのような報道は芸能人だけではなく、我々庶民も突然「餌食」になるかもしれません。
そのような場合に備え、正しい法律の知識を身につけておきましょう。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)