繁華街などで、道を歩く人に対し入店を呼びかける「客引き」。昨今排除が進んでいるといわれますが、それでもまだまだ客引きのいる街は減っていないようです。
2000円が25万円に?
入店を呼びかける行為が問題視されている理由は、客引きを発端とした詐欺が行われているからに他なりません。
日本大最大の繁華街、東京新宿の歌舞伎町では、「ガールズバー2000円でいかがですか」と声をかけ入店させ、会計しようとすると25万円の請求をされるなどの被害報告が寄せられています。
「客引きについていかないように」というアナウンスを流している街もあり、被害を未然に防ぐ動きは続いているのですが、それでも発生してしまう、客引きを発端とした過大請求。
客引きに2000円と言われたにもかかわらず、25万円の請求を受けた場合、支払わねばならないものなのでしょうか? 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士にうかがいました!
支払い義務はあるの?
齋藤弁護士:「公序良俗違反、または詐欺行為として刑事罰の対象となるべき請求でしょう。そのため、これらが通るのであれば、支払い義務は生じません。ただし、これには経緯を一通り確認しなければなりません。
というのは、たとえば最初は2000円、と明確に規定されえていたところ、チャージなどの正当な請求が重なり、また、人数も大人数で利用しており、25万円の支払い請求の根拠が明確に示せる場合には、別でしょう」
ケース・バイ・ケースですが、公序良俗違反、詐欺行為と認められる場合は、支払う必要はないようです。
被害に遭ったらどうすればいい?
支払う必要はないと言っても、脅されるなとした場合、どう対応していいのかわからなくなってしまいます。
被害に遭ってしまった場合、どのように対応するべきでしょうか?銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士に聞くと…
齋藤弁護士:「まずは、
被害に遭ったかもしれないと感じた段階から録音をする、動画を取る
↓
明確に拒絶する
↓
こちらから連絡すると言ってその場を離れる
↓
警察に連絡する・弁護士に相談する
などの対応が必要でしょう」
客引きには十分注意を
法的には詐欺行為と認められる場合、支払い義務は発生しません。
どんなに脅されようとも、毅然とした態度をとることが、自分を助けることになります。
相手は、弱みにつけ込んできます。このような面倒なことに巻き込まれないためにも、客引きのうまい言葉には乗らないことをおすすめします。
*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)