TVの公開プロポーズ10日前に不貞行為…慰謝料は?違約金は?弁護士が解説

Checking his phone. Handsome preoccupied bearded man asking his girlfriend to give him his phone and she taking it away while sitting on the couch

先日男性お笑いタレントがテレビ番組内で、約10年間交際しているという女性へ公開プロポーズ。見事成功し、その様子に相方が号泣するなど、感動的なシーンが展開されました。

 

プロポーズの10日前に不貞

ところがその数日後、週刊誌上でそのタレントに二股交際が発覚。プロポーズの10日前に金髪美女を自宅に招き入れ、行為に及んでいたものと見られています。感動的なプロポーズを台無しにされたことに、一部ファンはからは失望や怒りの声が上がりました。

結局女性が不貞行為を許したため、2人は結婚することになりましたが、一部からは「浮気グセは絶対に治らない」「必ずまた裏切る」という批判的な声もあり、感動エピソードが一転、好感度が落ちてしまったようです。

 

慰謝料の請求は可能なのか?

今回女性が不貞を許したため事なきを得ましたが、「プロポーズの10日前に他の女性をお持ち帰り」という行為を「許せない」と考える人は男女問わず多いことでしょう。

プロポーズ後に相手の不貞が判明し、関係を解消したいと考えた場合、慰謝料を請求することはできないのでしょうか?高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺いました。

 

弁護士の答えは…

理崎弁護士:「婚約者以外との性行為は、婚約破棄の正当な理由になるとともに、相手に対して慰謝料を請求することができます。ただ、その前提として両者の間に婚約が成立している必要があります。

本件の場合、TV番組の公開プロポーズによって婚約が成立したとすると、それ以前にタレントが婚約者以外の女性と性行為をしていたとしても、婚約成立前の行為なので、婚約者がタレントに対して慰謝料請求をすることはできないということになります」

婚約成立前の不貞行為については、慰謝料を請求することはできないようです。

 

TV局から違約金を請求することは?

男性タレントに対して、感動的な公開プロポーズに「泥を塗った」と激怒する人もいます。不貞の事実を認識していながらそれを隠し、感動エピソードとして放送したことについて、「虚を流した」と批判する人もいます。

仮にテレビ局サイドが「聞いてない」と激怒した場合、違約金などを請求することはできないのでしょうか?高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解を伺うと…

理崎弁護士:「テレビ局に対する違約金については、番組自体はお蔵入りされることなく放映されており、番組制作にかかった費用についても無駄になったということはなく、テレビ局には特に損害は発生していないと思われますので、違約金等は発生しないものと考えます」

 

不貞は相手の信頼を損なう

プロポーズ前の不貞が好ましくなく、相手の信頼を大きく損なってしまう行為であることは間違いありません。今回タレントの交際相手は、それでも受け入れてくれたようです。そんな新妻を、タレントには大事にしてもらいたいものですね。

 

*取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

理崎 智英 りざきともひで

高島総合法律事務所

東京都港区虎ノ門一丁目11番7号 第二文成ビル9階

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