賛否両論! 年末年始の出勤を強要し「スーパーで働くとはそういうこと」と居直る店長。弁護士の見解は…

先日、Twitter上であるユーザーが公開した画像が波紋を呼びました。それは、スーパー店長が年末年始のシフトについて呼びかけた一枚の紙。

そこには「わかっているとは思いますが、12月22日から1月6日までは出勤お願いします。帰省もあると思いますが、スーパーで働くとはそういうことです。ご協力お願いします」と書かれていました。

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画像に賛否両論

この画像は賛否両論で、労働者サイドからは「ふざけてる」「ありえない」と非難の声が上がりますが、「気持ちはわかる」「年中無休ならある程度は仕方ない」など、理解を示す人も。

働く側としては、「帰省は許さない。年末年始は出ろ。それがスーパーで働くということだ」と言われているようにも思えます。パワハラを受けているように感じてしまいますが、このような考えを持つ店舗運営責任者は多いようです。

法律的に見てこのような措置は認められるのでしょうか?  琥珀法律事務所の川浪芳聖弁護士に見解を伺いました。

 

法的に認められるのか?

川浪弁護士:「労働時間の上限や休日について定める、労働基準法32条や35条に違反しない範囲でシフトを組むことが前提として必要ですが、労働契約の内容あるいは就業規則の内容次第と考えます。スーパーのようにクリスマスや年末年始に繁忙期を迎えるような職種については、採用(面接)の時点で、使用者が労働者に対して、年末年始の出勤状況などの説明・確認をし、労働者の了承を得た上で労働契約を締結している場合があります。

また、就業規則内にクリスマスや年末年始などの期間を特定して、その日に業務に就くよう命令できる旨が定められていることもあります。このような場合には、使用者が、労働者に対して、クリスマスや年末年始に出勤するよう命じることに問題はありません。

ただし、口頭での説明しかしていない場合には、「言った」「言わない」の問題となり、無用な紛争に発展しかねませんので、上記については労働契約書などに明確に記載しておくことが望ましいと思います。

なお、「スーパーで働くとはそういうこと」という店長の言い分は、法的に分析すると「スーパーで働くことを決めた以上、クリスマスや年末年始の出勤があることを黙示的に承諾している(黙示の合意が成立している)」ということだと推測しますが、黙示の合意の成立は容易に認められないこと(裁判所は黙示の合意の成立については慎重であること)を付言しておきます。」

 

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就業規則に定めがない場合は…

川浪弁護士:「他方で、労働契約締結時に説明していない場合、または、就業規則に定めがない場合には、シフトの決定方法についての定め方が問題となります。労働者が勤務希望日を決定できる場合であれば、当然、出勤を強要することはできません。

使用者が勤務希望日を決定できる場合には、使用者に不当な動機や目的がない限り、シフトを決定して出勤を命じることに問題はありませんが、合理的な理由により出勤できない旨を申し伝えている労働者に出勤を強要することはできないといえます(合理的な理由がないのに労働者が出勤を拒否した場合には、業務命令違反と評価される可能性はあります)。」

 

就業規則の確認を

川浪弁護士によると、契約や就業規則の内容次第で「適法・違法」が変わってくるそう。今回のケースでは「黙示の合意」が成立しているとはいえず、拒否できる可能性が高いものと思われます。

就業規則や契約条件は働き方を決める重要なもの。難しい部分もありますが、なるべく確認した上で勤務するようにしましょう。

 

*取材協力弁護士: 川浪芳聖(琥珀法律事務所。些細なことでも気兼ねなく相談できる法律事務所、相談しやすい弁護士を目指しています。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

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川浪 芳聖 かわなみよしのり

琥珀法律事務所

東京都渋谷区恵比寿1-22-20 恵比寿幸和ビル8階

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