「明日までに納品ヨロシク」 クライアントの無茶振りを就業規則を盾に拒絶することは可能?

大手広告代理店の下請け制作会社に勤めるOさん(40代・男性)は、現在多忙な日々を送っています。クライアントから「無茶振り」されることは日常茶飯事で、急に「明日までにお願い」と言われることもあるのだとか。

相手は大手だけに「嫌だったら切る」という態度で、納期を妥協するつもりはなく、「間に合わないなら朝から晩まで仕事して休日も出ろよ」などと、暗に言われるそうです。

困り果てたOさんは…

Oさんは現状徹夜や休日出勤で乗り切っていますが、自分を含むメンバーの体力も限界で離職率も高く、「何とかしなければいけない」と考えています。そして、何よりクライアントにたまりかねてるのだそう。

そこでOさんは、自社にも就業規則があるので、「うちの就業規則に反しているのでできません」と主張しようかと検討しているとのこと。少々無理があるような気もしますが…。

請負契約を結ぶクライアントに対し、「自社の就業規則違反」を理由に納期の見直しを要求することは可能なのでしょうか?銀座さいとう法律事務所齋藤健博弁護士に解決方法をお聞きました。

 

どうすればいいのか?

齋藤弁護士:「そもそも、請負契約として大手広告代理店からの発注を受け、これに対して報酬が発生している状態ですから、実は就業規則違反だなんてまったく関係がありません。就業規則は、基本的に雇用契約に関するルールを定める性質のものです。

実は請負契約は独立性を有しており、会社からの支配従属関係はありません。ですから、大手広告会社からの支配に与する必要はありません。

でも、こんなことを主張してしまうと、双方の信頼関係が崩れてしまいます。ご提案としては、契約書、合意書を作成し、双方の権利義務関係を明確にしておくことが後日のトラブル防止に役に立つことになりましょう。

相談としては、弁護士に相談されることがよろしいのではないでしょうか」

 

弁護士に相談を

請負契約となると、Oさんのように下請け会社は「無茶振り」を受け、右往左往されがち。しかし法的には支配関係は成立しないようです。就業規則を盾にしなくとも、「首を振る」ことは可能です。

事前にトラブルを防止するような契約をしておくことがベストですが、それもないという場合は、弁護士に相談し、落とし所を探っていくのが、最も良い解決法ということになります。

このようなに請負先から「無茶苦茶な勤務」を強いられている人は多いと聞きます。泣き寝入りせずに、戦っていきましょう!

 

*取材協力弁護士: 銀座さいとう法律事務所 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)

 

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

齋藤健博 さいとうたけひろ

銀座さいとう法律事務所

東京都 中央区銀座2-4-1 銀楽ビルディング503E

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