未払い残業請求は正当な権利! 請求するために用意したいもの4つ

ブラック企業の撲滅が叫ばれている昨今ですが、労働者を酷使しながら適正な対価を支払わないという経営者はまだまだ存在しているようです。

このような場合、実際にどうすればよいのか、なにを用意すればよいのかわからないという方が多いと思います。そこで今回は『未払い残業代を請求するために用意したいもの』を紹介します。

 

■未払い残業代を請求するために用意したいもの4選

①タイムカード

まず必要なのは、日々打刻しているタイムカードや勤務記録など日々の労働時間が記録された資料です。残業代の請求にはまず労働時間を労働者側で立証する必要がありますので、労働時間が記録された資料は必ず確保しておきましょう。

 

②雇用時の契約書

必須ではありませんが、採用時に契約書や通知書などが交付されている場合、それも確保しておきましょう。そのなかには給与計算や残業代の支払いに関する規定などが記載されているはずです。

 

③就業規則

就業規則は企業内のルールです。残業代計算の際に必要となりますので、できれば証拠資料として手元においておきたいところです。

本来就業規則は社員の誰もが確認できるようにしておかねばならないものですが、ブラック企業になるとあえて目の触れないところに保管しておくケースもあると聞きます。

また、確認できたとしても、コピーできないという場合もあるかもしれません。しかし、就業規則は重要な資料ですので可能であれば確保しておきたいところです。

 

④労働時間を推認する記録

①のタイムカードや勤怠記録が一切ないという場合もあります。そのような場合は、会社のメール履歴、オフィスの入退室記録、PCのログイン・ログオフ記録、交通ICカードの入退場記録などで労働時間を立証するほかありません。

 

■弁護士のアドバイスを仰ぐ

証拠を揃えたら、次は弁護士に相談することをおすすめします。また、上記以外の資料も必要になる可能性がありますので、『証拠集め』の段階からアドバイスを受けたほうがよいかもしれません。

『揉めたくないからいいや』と思う人も多いようですが、未払い残業代はあなたが受け取るべき正当な『報酬』です。行動を起こさないことは、損でしかありません。

 

また、残業代の請求は2年間で時効を迎えてしまいます。面倒だからと足踏みしていては、請求できるものもできなくなってしまいますので、早めに行動に移すことをおすすめします。

 

*監修弁護士/梅澤 康二プラム綜合法律事務所。労務全般の対応、M&A取引(対象会社に対するデューディリジェンス)、各種契約書の作成・レビュー、取締役会議事録の整備、その他企業法務全般のご相談一般民事・交通事件・債務整理・相続問題に係る法律相談、刑事事件に係る法律相談を中心に取り扱う。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

 

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