正社員登用が決まったのに派遣業者から違約金要求が…法律違反じゃないの?

派遣社員として働くAさんは、その仕事ぶりが認められ、派遣先の会社から正社員になるよう打診を受けたそう。本人は大喜びで契約に応じようとしましたが、ここで問題が発生します。

派遣会社から、「直接契約するなら違約金を払うように」といわれたというのです。晴れて正規雇用にごぎつけたのに、派遣会社が横槍を入れ違約金を取る。このようなことが許されるのでしょうか?

企業法務を得意とするあすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士に見解を伺いました。

 

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Q.正社員契約をしようとしたら、派遣会社が違約金を要求してきた。これは合法?

 

A.法的に問題があります

「法的に問題があります。労働者派遣法33条では、派遣元を退職した後に派遣先へ就職することを制限する契約を禁止しています。派遣元が派遣社員に違約金を請求する場合は33条1項に、派遣元が派遣先に違約金を請求する場合は33条2項に違反する可能性があります。

ただし、労働者派遣法33条が禁止しているのは直接的な雇用制限です。「派遣終了後1年間、派遣先に就職してはならない」「派遣終了後1年間、派遣社員だった者を雇用してはならない」といった雇用制限を規制しています。
「違約金を取ってはならない」という規制にはなっていません。

ですが、違約金があることによって派遣先への就職を断念せざるを得ないような条項も労働者派遣法33条に実質的に違反するとして無効となります。

派遣社員を雇用した派遣先が派遣元から高額の違約金を請求された事件で、違約金を定めた条項は無効であるとした裁判例があります。派遣社員の側に違約金を科す場合,労働基準法16条違反となる可能性もあります。」(高野倉先生)

 

やはりこのような行為は違法である可能性が高いよう。このような目にあってしまった場合ですが、高野倉弁護士によると各都道府県の労働局や労働基準監督署への相談がおすすめです。

また、それでも不安な場合は、企業法務に強い弁護士への相談も検討してみてはいかがでしょうか

 

*取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

 

*画像:pixta(画像はイメージです)

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