アダルトサイトの料金請求メール…もしも誤って電話してしまったら?

身に覚えのないアダルトサイトからの料金請求メールが届いたらどうしますか?

『○○日以内に支払いがない場合には、訴訟を起こす』なんて書いてあれば、不安になって電話してしまうかもしれません。しかし、実はその対応は逆効果です。

毎年、アダルト情報サイトに関する相談が、国民生活センターには数多く寄せられています。ここでは、実際にメールが送られてきたときの正しい対処法をご紹介します。

 

この記事は、法律事務所アルシエンの清水 陽平先生に監修いただきました。

 

一方的に送られてきた請求メールは詐欺の可能性大

身に覚えがなく一方的に送られてくるアダルトサイトの料金請求メールは、悪質な業者が不特定多数に送信している迷惑メールである可能性が高いです。いわゆる『架空請求』と言われる詐欺の一種だと思ってください。

仮に身に覚えがあったとしても、無視するに越したことはありません。メールに返信してしまうと、悪質な業者が『カモ』と判断してあなたのメールアドレスをリストに登録し、他の迷惑メールが、多数送られてきてしまう可能性があるからです。

基本的には、電話はもちろん、メールの開封も避けたほうがよいでしょう。メールに添付されているファイルに、ウイルスが仕組まれていることもあるからです。

本文内に記載されたURLをクリックするのもやめておきましょう。クリック先のリンクであたかも契約が正式に完了したような画面が表示されるからです。もちろん、そのような契約が有効になることはないのですが、突然のことに正常な判断ができなくなることがあります。

表示画面に携帯電話の個体識別番号や、パソコンの固有識別番号、IPアドレスで『個人を特定しました』と書いてあることがありますが、それらの情報だけからは個人を特定できないので安心してください。

また、URLをクリックすることでウイルスに感染させるサイトもあるので気を付けましょう。

 

誤って電話してしまった!そんなときの対処法

メールに記載されていた電話番号に連絡してしまうと、業者からのしつこい請求が来るかもしれません。もし、実際に連絡してしまった場合には、以下の対処法を参考に行動するとよいでしょう。

 

・着信拒否する

電話番号しか知られていなければ、業者側も電話しかできません。身に覚えがない請求は無視してしまって大丈夫です。

 

・電話番号を変更する

業者によっては違う電話番号からかけてくることもあります。その場合には面倒ではありますが、電話番号を変えてしまうのがよいでしょう。

 

・国民生活センター・警察に相談する

電話した際に個人を特定できそうな情報を話してしまい、急に家や職場などに押しかけられるのではないかと不安な場合には、警察や国民生活センターに相談してみましょう。国民生活センターでは、アダルト情報サイトに関する相談が多数寄せられていますので、的確なアドバイスがもらえるはずです。

 

・弁護士に相談する

極めてまれなケースですが、過去に出会い系サイトの業者が、架空請求でサイト利用者に訴訟を起こしたことがあります。裁判所は訴状の形式に問題がなければ受理してしまいますので、訴える内容が正当なのかどうかまでは事前に判断をしないのです。

 

裁判所からの呼び出しを無視して答弁書を出さず、審理にも出なかった場合、原告の請求が認められ、裁判に負けることになってしまいます。

また、訴訟で求める支払いの請求額が60万円以下の場合、少額訴訟手続による審理になると思いますが、少額訴訟手続は1回の審理で終了してしまうので、適切な反論をすることが必要になります。

訴訟が起こされると、『特別送達』と書かれた封筒が裁判所から届くので、必ず確認して失くさないようにし、どう対応していくかは弁護士に相談するとよいでしょう。

 

基本的にアダルトサイトからの料金請求メールは無視してかまいません。しかし、メールに記載された番号に電話してしまって、問題が起きた場合には、公的機関や弁護士に相談してみるとよいでしょう。

 

*記事監修弁護士:法律事務所アルシエン 清水 陽平先生(Twitter、Facebookに対する発信者情報開示請求仮処分について、それぞれ日本第1号事案を担当するなど、インターネット上の誹謗中傷に対する事案解決に注力しています。)

*取材・文:アシロ編集部

【画像】イメージです

*siiixth/ PIXTA(ピクスタ)

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