居酒屋を団体予約しなんの連絡もなく当日ドタキャン。Twitterでお店の方の悲しみに満ちたツイートが拡散され、ニュースで取り上げられることが時々あります。
「食い逃げしたわけじゃないのだから別にいいでしょう」
「キャンセル料は払わないといけないと思う」
など様々な意見がありますが、居酒屋をドタキャンすることは何らかの罪に該当するのでしょうか?
ドタキャンでお店が被るダメージとは
居酒屋にかぎらず飲食店を予約、ドタキャンすることでお店は以下の様な被害を受けます。
・予約人数に合わせて用意した食材が無駄になる
・予約人数に合わせて手配した従業員の人件費が余計にかかる
・予約のために他の客の来店を断っているので売り上げが下がる
食材の原価が1人前1000円だとしても、100人分となるとそれだけで10万円です。それに加えて従業員の人件費、おまけに他のお客さんが来てくれない…となるとお店としてはたまったものではありません。
犯罪に該当する場合もあり得る
常にそうなるわけではありませんが、例えば、大人数の予約を何らの連絡もなくキャンセルして、キャンセル料も支払わない場合や同じお店に対して何度もドタキャンするような場合には、店の営業を妨害したとして、業務妨害罪に該当する可能性があります。
犯罪にはならない場合でも、お店には損害賠償請求をする権利がある
予約が成立した時点で、法律的には客とお店で“売買の契約”を結んだことになります。これを客の都合で勝手に破棄すること自体は犯罪ではありません。ですが、お店側は契約を破棄されたことで生まれた損害を客に請求することができます。お互いが譲らない場合には最終的に民事裁判をすることになります。
お店側が対応に悩む理由
被害届を出したり、損害賠償請求をすれば、お店はドタキャンされた分の損失を取り戻せるかもしれません。ですがお店としてもドタキャンした客に対して強い態度を取れないのが実情のようです。
悪いうわさが立つかもしれないから
ドタキャンをした客が悪いのは事実ですが、トラブルになったことが口コミやSNSなどで拡散してしまった場合お店のイメージが悪くなってしまいます。
できればまた来店してほしいから
大人数の予約であれば特に、お店としてはまた利用してもらいたいと思うものです。ですが揉め事になってしまえばそれも望めなくなってしまいます。
まとめ|キャンセルするならできるだけ早くお店に連絡
飲食店のドタキャンに関してはお店側が泣き寝入りをすることが多いのが実情のようです。ですが、犯罪に該当する可能性や訴えられる可能性も少なからずあるので、キャンセルすることがわかった時点でできる限り早くお店に連絡しましょう。誠意ある対応をすることでお店の人もキャンセル代も見逃してくれることもあります。
*取材協力弁護士:寺林智栄(ともえ法律事務所。離婚・男女トラブル、労働トラブル、交通事故、借金問題、遺産相続、詐欺被害、消費者被害、刑事事件などを扱う)
*取材・文:アシロ編集部
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*PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)