新婚旅行に行きたいのに会社が時期を指定してくる…こんなのってあり?

個人クリニックに勤務するAさんは、最近めでたく結婚したそうで、新婚旅行に出かけることを計画していますが、ある問題に直面しています。

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

 

■「忙しいから」と時期を特定

その問題とは、クリニックの副院長が「結婚おめでとう。新婚旅行だけど、5月から11月まで忙しいから長く休まれるのはちょっと…現場にいるあなたが一番わかってるよね」などと声をかけてきたこと。

彼女は長年勤務していますが、人が足りない状態のため有給休暇をとっていません。そんな劣悪な労働条件下で、一生に一度の新婚旅行にまで「時期をしてくるのか」と怒りを感じているそう。

有給休暇の取得時期については会社に「時季変更権」が認められており、「事業の正常な運営が妨げられる場合」は変更することもできます。

しかし人生の門出を祝う新婚旅行の場合、「忙しいから行くな」というのはかなり理不尽にも思えます。やはり有給と同様なのでしょうか?

 

■新婚旅行にも時季変更権は有効?

結論からいうと、新婚旅行でも「時季変更権」は有効となります。ただしこの権利はご存知の通り「事業の正常な運営が妨げられる」ことが条件。

休もうとした社員が出ないと倒産してしまうなど、「どうしても」という場合以外は、認める必要があります。Aさんの場合、彼女が休んだとしてもクリニックの営業はできる可能性が高く、5月から11月の間であっても、新婚旅行を認めなければならないものと思われます。

もちろん実際のところは、新婚旅行に行く側も会社都合を考慮すべきであろうと思います。しかし、会社がみだりに「休まないで」と社員にいうことはできません。

勤務先が新婚旅行の時期を指定してきた場合は、しっかりと希望を伝えたうえで交渉しましょう。

 

*記事監修弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)

*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)

 

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