お葬式に参列した際、お清めの塩が配られたり、家の玄関をくぐる前に体に塩をふりかけたりしますよね。お清めの塩にはおはらいの効果があるといわれています。
ここで疑問なのですが、お清めと称して人に塩をかける行為は法律の観点からみてどうなのでしょうか? 邪気がはらわれるのでセーフなのでしょうか。
この記事ではこの些細な疑問を解消したいと思います。
塩で攻撃したら暴行罪
人の顔や身体などに向かって悪意を持って塩をかけた場合、暴行罪に問われる可能性があります。相手の体に直接触れていなくても、『人の身体に向けた有形力の行使』があれば、暴行罪は成立するからです。
過去に人の顔や胸に塩を数回かけて暴行罪に認定された判例があります(福岡高判昭和46年10月11日)。
同意のもと塩をふりかけたら暴行罪ではない
「塩をかけてください」とお願いをされたり、事前に許可を得たりしているのであれば人に塩をかけても暴行罪になりません。同意がある以上、処罰することはできないと考えられているためです。
まとめ|暴行罪となるかならないかのポイント
塩をかける行為が暴行罪にあたるかどうかを判断する基準は、
・相手が塩をかける行為に同意していたかどうか
この点が重要になります。相手が塩かけ行為を許可していたとしても、限度を超えてしつこく塩をかけた場合は、同意の範囲を超えているとして暴行罪に問われる可能性があります。
暴行罪の基準に関してはあいまいな部分もありますので、わざわざ人に塩をかけたりするのはやめておきましょう。
*記事監修弁護士:寺林智栄(ともえ法律事務所。離婚・男女トラブル、労働トラブル、交通事故、借金問題、遺産相続、詐欺被害、消費者被害、刑事事件などを扱う)
*取材・文:アシロ編集部
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